猿の惑星:新世紀(ライジング)

猿の惑星:新世紀(ライジング) “Dawn of the Planet of the Apes”

監督:マット・リーヴス

出演:アンディ・サーキス、ジェイソン・クラーク、ゲイリー・オールドマン、
   ケリー・ラッセル、トビー・ケベル、ニック・サーストン、
   ジュディ・グリア、コディ・スミット=マクフィー、J・D・エヴァーモア

評価:★★★




 『猿の惑星:新世紀(ライジング)』は「創世記(ジェネシス)」(11年)の10年後の物語だ。ウイルスが蔓延、生き残った人間は極僅か、という近未来設定ではお馴染みの舞台が用意される。猿たちはウイルスとは無縁のまま森の深くで着実に生活の質を向上させてきた。そして人間と猿が、再び出会う。始まるのはもちろん、生き残りを賭けた戦いだ。共存の気配は最初からほとんど感じられない。

 猿のリーダーはシーザーだ。アンディ・サーキスが颯爽と演じる。立ち姿が実に美しい。ただし、10年という年月はシーザーを老けさせた。それも当然、シーザーは嫁を貰い、長男も立派に成長、さらには次男が誕生したばかりだ。長男との関係は上手くいっているとは言い難く、腹心の同志だったコバとの仲もぎくしゃくしている。猿の社会も辛いよ。

 …ってなことがとても丁寧に描かれていて、それと比較すると人間社会のドラマは大変あっさりとした描写に留まる。主人公は猿たちであり、猿が地球を自分たちのものにするより先に、シリーズは既に彼らの乗っ取りが完了しているのだ。それに説得力を持たせられるぐらいモーション・キャプチャーによる視覚効果の技術は進歩しているということだろう。

 猿たちの物語から見えてくるのは、戦争が起きるからくりだ。命を奪うこと自体は第一目的ではない。それぞれが考えを持ち、しかし経験や恐れがそれを歪め、思いがけない方向に暴走を始める。「創世記」では猿は完全に同情される存在だったものの、ここではその枠に留まらない動きを見せる。まあ、人間社会を舞台にした戦争映画なら、よく語られることではある。

 何の違和感も感じさせない猿たちに感心しつつ、その反面アクションのヴィジュアルは平板になった。ひとつはサンフランシスコの荒廃が既に完了と言って良いところまで進んでいるため猿の暴走が映えないため。もうひとつは知恵をつけ過ぎた猿たちが楽をして勝利を収めようとするためだ。アニマルならではの縦横斜めをスウィングするような動きはほとんど封印され、馬に乗り、銃をぶっ放すそれが大半を占めるのだ。装甲車まで操縦するのも嫌な感触。夜間が多く、猿の毛の色がそれに溶けてしまうのも問題だ。「創世記」における「突き破る」快感が懐かしい。

 物語は今後、シリーズがさらに舞台を広げていくことが示唆される。猿が人間に近づけば近づくほど、この設定の旨みが薄まる危険があることにどれだけ気づいているのか。気になるところだ。





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