ニューヨーク 冬物語

ニューヨーク 冬物語 “Winter's Tale”

監督:アキヴァ・ゴールズマン

出演:コリン・ファレル、ジェシカ・ブラウン・フィンドレイ、
   ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、
   ウィリアム・ハート、ウィル・スミス、エヴァ・マリー・セイント、
   マット・ボマー、ルーシー・グリフィス

評価:★




 1916年ニューヨーク、コリン・ファレルは裏社会で生きている小悪党だ。その彼が泥棒に入った邸宅の令嬢と恋に落ちる。令嬢は結核で余命僅かで、「21歳なのにキスも知らない」と嘆く。この70年代の少女漫画みたいなこってこての設定に赤面していると、中盤に急転直下、物語は思いもかけない方向に走り出す。

 『ニューヨーク 冬物語』は多重人格を患っているかのような映画だ。少女漫画風の恋愛が描かれていたのが(泥棒がハートを盗む云々の会話に驚愕)、突然魔王やら悪魔やらが現れてホラーテイストが混じり、ファレルが橋から落ちればタイムトラヴェル。行き着く先は2014年で、主人公は「俺は一体誰なんだ?」と記憶喪失へ。そこから先には難病映画的要素が混じり、時空を超えた使命が紛れ込み、気がつけば決闘が始まり、ラストシーンに至っては笑って見送るしかないという…。

 これを愛の尊さ、生きる意味を問い掛ける物語だと解釈するのは、相当勇気が要る。ファレルを導く存在として白い馬が出てくるのが一貫しているぐらいで、後はもう、手当たり次第に思いついたエピソードを繋げているだけに見える。もちろんエピソードを繋ぐ部分に芸はない。全てのことに意味があると考えるのは自由だけれど、信仰というフィルターを外すと、身勝手なものになることに気づいていない。こういうのは支離滅裂と言うのだ。

 要するに脚本が酷いのだけれど、仮に及第点のそれだったとしても成功したかは疑わしい。何と言っても、提示される美のイメージが安っぽい。アキヴァ・ゴールズマンは対象物に光を当てるのが好きなようで、キーとなるアイテムが無闇やたらに照らされる。幻想的な線を狙ったと思われるものの、創造力・想像力の欠如を強調するだけという無念。

 それでもニューヨークは踏ん張った。的外れな演出に耐えて、何とか大都会の威厳のようなものを守った。セントラルパーク、ブルックリン橋、グランドセントラル駅という名所が、でたらめな物語に対抗する。路地裏の寂しさも意地を見せる。夜の色も人工の明かりに負けない。ニューヨークにしてみたら舞台にされて迷惑なだけだろうけれど、彼のおかげで我慢できる部分は少なくない。

 ニューヨークの一角を牛耳る悪党に扮したラッセル・クロウが大ボスのウィル・スミスにへいこらする画には笑った。何と言うか、役柄とは言え、クロウは屈辱だったのではないかと察する。主人公男女を除けば、一応最も重要な役柄なのに、お気の毒。脇を大スターたちが固めているのは、よほどゴールズマンに大きな借りでもあるということなのか。どうなんだ。スターたちよ、これに懲りて、出演作は脚本を熟読してから決めるが良い。





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