NO ノー

NO ノー “No”

監督:パブロ・ラライン

出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、アルフレド・カステロ、
   アントニア・セヘルス、ルイス・ニェッコ、マルシアル・ダグレ、
   ネストル・カンティジャーナ、ハイメ・バデル、パスカル・モンテーロ

評価:★★★




 1988年、長らく続いていたチリの独裁政権が終わりを迎える。国際社会の圧力により、政権の信任を問う国民投票が行われた結果だ。出来レースに過ぎないと思われていたのに、何故。そのきっかけとなったのが、アウグスト・ピノチェト政権の反対派である「NO」陣営によるTVコマーシャルを使ったキャンペーンだったというのが面白い。NO派は血を流すことなく、国民の意思を示すことに成功した。『NO ノー』はその模様を綴る。

 一見公平な選挙に見えながら、社会には政権からの強大な圧力がかけられている。しかもCMは僅か15分、それも深夜放送に限られる。いかに効率的なCMを作ることができるかが鍵になる。当然興味はCMの内容に移るわけだけれど…。

 そうしたらこれが、案外フツーの内容で拍子抜けしてしまった。切々と現実の痛みを訴えるよりも、ユーモアを投入して選挙に目を向けさせる、意識を高める方法論で、確かに有効に見えるものの、斬新さからはかけ離れているのだ。これぐらいも許されなかった時代だったと読み取るべきだと承知しつつ、えっ、これで人を動かせるの?…と意地悪く思ってしまう。

 むしろ目を引くのは、YES派の圧力のかけ方だ。脅迫めいた作法には呆れるしかないものの、CMを同じような構成にしたり、わざわざNO派の悪口に走るあたり、その焦りが人間臭い形で表れた印象だ。所謂ネガティヴ・キャンペーンは、こんな風に生まれるものだと腑に落ちる。

 はっきりと残念だったのは、NO派を讃えるばかりで、そのやり口の裏に潜む危険性が無視されたことだ。方法によっては人を簡単に動かす力を秘めているもの、それがメディアだ。最近だとインターネットを通じて次々流れてくるニュースを真に受けて、いとも容易く他人の批判に走る輩がやたら多い。振りかざされる正義の質が極めて低レヴェル。それに似た危うさを突くことができたら、多角的な見方ができただろう。

 80年代の空気感は物語と別のところで、楽しい部分だ。ガエル・ガルシア・ベルナルのスタイルがマイケル・J・フォックス風だったのは気のせいか。スケボーにまで乗って、どうしたってあの映画を思い出してしまうのだけど、今見ると、そのスタイルのダサいこと!それでも、どうしても憎めないのが80年代だ。





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