イヴ・サンローラン

イヴ・サンローラン “Yves Saint Laurent”

監督:ジャリル・レスペール

出演:ピエール・ニネ、ギョーム・ガリエンヌ、シャルロット・ルボン、
   ローラ・スメット、マリー・ドゥ・ヴィルパン、ニコライ・キンスキー、
   マリアンヌ・バスレール、グザヴィエ・ラフィット、
   アレクサンドル・スタイガー、ミシェル・ガルシア、オリヴィエ・パジョット

評価:★★




 呼び物は言うまでもなく、イヴ・サン・ローラン財団によって貸し出されたコレクションの数々だ。新作の発表の場がホテルの一室でしかなかった頃から、サン・ローランの才能は抜きん出ていた。次々登場するドレスが有無を言わせぬままに目を奪う。サン・ローランの作品は今も生き続けている。

 『イヴ・サンローラン』はブランドが公認した映画で、だからこそ貴重な作品の多くを拝めるわけだけれど、これは実は手放しで喜んではいられない部分でもある。イメージを大切にするがあまり、故人を美化した内容になりがちなのが伝記映画だからだ。けれど意外にも、この点は難なくクリアされている。サン・ローランを過剰に美しく見せようという気配は微塵もない。むしろ彼の弱さをたっぷり炙り出す。

 だから歓迎したい気持ちはあるのだけれど、いやいや、それがアルコールの摂取や薬物の乱用によって表れるというのには閉口する。優れた芸術家が酒やドラッグにより堕ちる展開は、個人的に最も忌み嫌っているパターンなのだ。真実だから仕方ないと言われればそれまで。しかし、それでも安易で安っぽく見える。サン・ローラン、オマエもか…と呟く。

 サン・ローランをビジネスの面からもプライヴェートの面からも支えたというピエール・ベルジェの協力も取りつけているけれど、これもどうか。やけにベルジェを好意的に見た展開で、彼がいればこそのサン・ローランだとサブリミナルで刷り込まれているみたいだ。「献身」の言葉が胡散臭い。何故、それでもサン・ローランを支えるのだ。

 ピエール・ニネは確かにサン・ローランに似ている。薄っぺらい身体や極端な撫で肩以上にポイントとなるのは、ご立派な鼻だ。横から見ると綺麗なラインなのに(…と言ってもジョン・タトゥーロに通じるものがある)、斜めから見ても美しいのに、真正面からだと途端にその太さがしゃしゃり出る。メガネをかけるとさらに面白い表情になる。ニネは鼻の主張のおかげでモノマネ演技を脱したと言っても過言ではない。

 物語からは何が天才をファッションの創造にかき立てたのかは見えてこない。プレッシャーにより押し潰されそうになる姿の強調しかしない。アプローチ法の間違いだ。人生の大半をカヴァーするのではなく、ある時期に絞って描くべきだった。とりわけひいきにしているモンドリアン・ルックの件を突っ込んで欲しかった。





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