フライト・ゲーム

フライト・ゲーム “Non-Stop”

監督:ジャウマ・コレット=セラ

出演:リーアム・ニーソン、ジュリアン・ムーア、ミシェル・ドッカリー、
   ルピタ・ニョンゴ、スクート・マクネイリー、ネイト・パーカー、
   ジェイソン・バトラー・ハーナー、アンソン・マウント、コリー・ストール、
   オマー・メトワリー、ライナス・ローチ、シェー・ウィガム

評価:★★★




 リーアム・ニーソンのアクション・スターぶりにはすっかり慣れた。もはやニーソン映画は、どこでニーソンがぶっ飛んだ行動に出るかがポイントであることが、暗黙の了解になってしまったくらいに。これはあまり歓迎すべきことではない。だから作り手は当然、設定を捻ることになる。『フライト・ゲーム』はニューヨークからロンドンへ向かう飛行機の中が舞台のアクション・スリラーだ。

 高度何千メートルかの空を行く飛行機の中は巨大な密室であり、そこには地上にはないルールが存在する。登場人物は限られ、従って推理物では犯人が絞られ、席が隣り合う関係で距離感は短くなり、銃の使用は制限され、狭い中でのアクションを余儀なくされ、地上とのやりとりは頼りない。その上に味つけがなされ、それが個性となる。

 航空保安官であるニーソンの元に犯人から「1億5,000万ドルを送金しなければ、20分毎に乗客を一人ずつ殺す」というメールが入る。犯人は誰だ?…という最も基本的な謎を軸に、時代を反映させたサスペンスが散りばめられる。インターネット、スマートフォン、YouTube、テロリズム、9.11…。今の映画を作ろうという意思がチラリ。

 その一方で、古風な味が残されているのが嬉しい。怪しい動きをする人々。思いがけない職業。乗客の一致団結。助けにならない地上の声。パイロットは限られるという現実。次第に見えてくる犯行のやり口と動機。とりわけ人のイメージがどんどん変わっていくのが、古めかしく、楽しいところだ。ジャウマ・コレット=セラは「アンノウン」(11年)でもそうだったけれど、アフルレッド・ヒッチコックを意識しているかもしれない。

 もちろんニーソンは期待通りの動きだ。広くはない機内を、大柄のニーソンが身体を彼方此方にぶつけながら動き回る様は、それだけで可笑しみが漂う。銃の扱いが慎重になるため、肉弾戦が多くなるのも悪くない。どうしても接近戦になる。ニーソンの長い手足が、画面を突き破って飛び出してきそうだ。

 散りばめられた個性派俳優たちもニーソンを盛り立てる。全員が主役はニーソンだと理解し、出しゃばった演技をしないのが良い。ジュリアン・ムーアは安定の動きを見せ、ミシェル・ドッカリーは「ダウントン・アビー 貴族とメイドと相続人」(10年~)とはまるで別人となり、スクート・マクネイリーは本人とは分からない化けっぷりで、コリー・ストールは相変わらず気持ちの良いハゲだ。とりわけストールが、後半になって俄然目立ち始めたのが嬉しかった。

 クライマックスに用意された、飛行機そのものが無事着陸するのかというアクションは、かなり乱暴だ。ただこれは、映画として、ありだろう。現実的かどうかはさておき、これぐらいのはったりを気にしてケチケチするようなニーソン映画ではない。笑って喝采を贈れば良い。…それより、犯人の正体と動機が気になる。すっきり腑に落ちることはなく、勢いで誤魔化されてしまった部分が多い。理屈を詰められないのであれば、単純に金目当ての犯行にしてくれた方が気持ち良く終われたのではないか。誰も文句は言うまい。





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