LUCY ルーシー

LUCY ルーシー “Lucy”

監督:リュック・ベッソン

出演:スカーレット・ヨハンソン、モーガン・フリーマン、チェ・ミンシク、
   アムール・ワケド、アナリー・ティプトン、ジュリアン・リンド=タット、
   ヨハン・フィリップ・アスベック、ピルー・アスベック

評価:★★




 今更ながら、スカーレット・ヨハンソンがアクション向きだと気づいたマーヴェルは偉い。「アベンジャーズ」(12年)ワールドのブラック・ウィドウ役のヨハンソンは、芸術映画のとき以上に美しく輝いている。リュック・ベッソンもそれに気づいたひとりだ。『LUCY ルーシー』はベッソンがヨハンソンに捧げたようなアクション映画で、彼女が綺麗でカッチョイイのだから、それで良しと開き直って大暴走。さすがヨハンソン、相変わらずオヤジを転がせたら世界一。

 ヨハンソンに捧げられた設定が、実にバカバカしくて良い。人間の脳は10%ほどしか動いておらず、しかし、ヨハンソンはあるドラッグを体内に注入されたことをきっかけに、そのパーセンテージをどんどん上昇させていく。それに従い、ヨハンソンは無敵のスーパーウーマンへと大変身。野暮ったいハスッパ姉ちゃんでしかなかった冒頭からどんどん洗練されていく過程が楽しい。ベッソンじゃなくても、強く美しい女は男たちの大好物なのだ。もちろんヨハンソンはそんなことを合点承知、クールな顔を崩さず飛ばす飛ばす。

 惜しむらくはヨハンソンのアクションが銃中心で、敵とみなした者を手当たり次第に瞬殺してしまうのに嫌な感触が残るところ。また、脳活動率が100%に近づけば近づくほど、その無敵ぶりが化け物に近づいてしまうのもどうか。人間らしさを残しながら、最後までスタイリッシュな線で押す方が愉快だったのではないか。黒いどろどろの液体を絡めた最後のメタモルフォーゼはなかなかインパクトがあったけど。

 そうなのだ。ベッソンの演出は結局、相変わらず中身はアッパラパーなのだ。脳云々の説明を映像化するのに、猿やチーターといった動物を担ぎ出したり、過去にタイムスリップさせたり、何ともまあチープな演出を恥ずかしげもなくやってのけるベッソン(もしかして、テレンス・マリックを意識?)。スローモーションの入れ方や音楽のセンスも相変わらず、おのぼりさん的田舎臭さだ。

 いちばんの失敗は、ヨハンソンに弱点を作らなかった点だろう。麻酔を必要としないほど痛みに強いわ、電話の向こうの相手の気持ちや目にしている物を読み取ってしまうわ、自分の細胞を操って容姿を変えてしまうわ、ちょいと睨んだだけで大多数を一度に伸してしまうわ、時間すらタブレット感覚で操ってしまうわ…もはや全人類の頂点に立つ神。彼女がいればアイアンマンもキャプテン・アメリカも必要なし。もちろんここまで強いと、サスペンスの色は目に見えて薄くなる。

 だからこれは映画だとは思ってはいけない。できればベッソンのスカスカの演出にも気づかないふりを決め込みたい。これは90分間丸ごとヨハンソンのプロモーション・フィルムだと割り切るのだ。そうすると衣装チェンジが少なめなのが残念だけれど、いやでもまあしかし、それを差し引いてもヨハンソンのフォトジェニックな異形美は殺されない。ヨハンソン、これからしばらくは女優としても無敵と見た。





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