イントゥ・ザ・ストーム

イントゥ・ザ・ストーム “Into the Storm”

監督:スティーヴン・クォーレ

出演:リチャード・アーミテイジ、サラ・ウェイン・キャリーズ、
   マット・ウォルシュ、アリシア・デブナム=ケアリー、
   アーレン・エスカーペタ、マックス・ディーコン、
   ネイサン・クレス、ジェレミー・サンプター、リー・ウィテカー、
   カイル・デイヴィス、ジョン・リープ

評価:★★★




 アメリカには竜巻を追いかけて研究する仕事(ストーム・チェイサー)があるのだと知ったのはもちろん、「ツイスター」(96年)だ。今となってはヘレン・ハントが出演を後悔しているに違いない二流のディザスタームービーだけれど、同じ竜巻を取り上げているからと言って、『イントゥ・ザ・ストーム』を二番煎じ映画としてバカにしてかかるのは勿体ない。

 「ツイスター」など比べ物にならないほど巨大な竜巻が登場、それを映像として提示するのだから、当然その視覚効果には金がかかる。ありとあらゆるものを飲み込んでいく怪物を安っぽく見せては、その時点で観客の興味は失せるだろう。おそらく5,000万ドルらしい製作費の大半はその再現にかけられている。だからその他の部分は、金では補えない何かでカヴァーしなければならない。その何かを見つけるのはB級映画の宿命で、そう、この映画はB級映画として、なかなかのガッツを見せる。

 例えば、自ら進んで怪物に近づくストーム・チェイサーを愚か者として描かないガッツ。窮地に陥るのは自業自得だと斬り捨てるのではなく、ある種の高揚感に包まれた彼らの、その執着や維持こそが時代を繋いでいくことが見えてくる。竜巻対策が施された特別装甲車はその象徴だ。

 また或いは、最小限に抑えられたアンサンブルキャストの捌き方。それぞれの置かれている立場が明確にされた上で各々の性格が素早くスケッチされ、それが後々の展開に大きな影響を与えていくところ、実に手際が良い。それぞれが感情を暑苦しいほどに引っ張ることなく、竜巻に臨むのも好もしい。

 けれど最も効果的だったのは、スマートフォン時代、YouTube時代の特殊性が大変効果的に活かされている点だ。即ちビデオカメラや携帯カメラを通しての竜巻、被災現場が次々登場し、これが前のめりの編集の効果も手伝って、大きな臨場感を生み出している。モキュメンタリーではなく、通常のカメラ映像がベースなのにも関わらず、体感型と言って差し支えない巻き込み型の画が連続する。

 こうした要素が、それこそ竜巻の勢いでひとつにまとまり、上映時間が90分以内に抑えられていることを讃えたい。たくさんの人間は不要。強引な感情の押し売りは不要。過剰な飾りつけは不要。必要なのは物語を一気に駆け抜ける勢いだと疾走する。結果所謂ドラマ性は薄い。けれど、そんなのはここに求められてはいない。それに気づいたチームによる、B級映画の佳作だ。





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