我が家のおバカで愛しいアニキ

我が家のおバカで愛しいアニキ “Our Idiot Brother”

監督:ジェシー・ペレッツ

出演:ポール・ラッド、エリザベス・バンクス、ゾーイ・デシャネル、
   エミリー・モーティマー、スティーヴ・クーガン、ヒュー・ダンシー、
   キャスリーン・ハーン、ラシダ・ジョーンズ、シャーリー・ナイト、
   T・J・ミラー、アダム・スコット

評価:★★★




 子どもの心を持つ大人…という形容には警戒心を抱いた方が良い。特に映画の中では。単に非常識であること、愚かであること、下品であることを、そう言い包めようとする場合が大半だからだ。『我が家のおバカで愛しいアニキ』の主人公ネッドも際どいところだ。制服を着た警官に縋られ、あっさりマリファナを売り、逮捕されてしまう男。頭がよろしくないと斬り捨てられてもおかしくない。ポール・ラッドはしかし、その純真さを嘘臭く見せない。これは全く重要なことだ。

 何しろ物語はネッドと三人の妹たちの関係を描いたもので、彼の本質が頑丈でないと全く別の印象になってしまう。面白いのは家族の温かさよりも煩わしさに注意が向けられているところだ。全く別の境遇に置かれた妹たちは一見、兄に振り回されているだけのようだ。不倫が明らかになり、仕事はコケ、恋人との仲はぎくしゃくする。けれど実際は、彼を都合良く扱っている。利用している。逃げ場にしている。そのくせ窮地に陥ると、それを兄のせいにする。蔑みも隠さない。

 家族の血がその居心地の悪さを強調する。兄と別れた恋人の関係と比べると良く分かる。ふたりの仲は愛犬の所有権をめぐり好ましいとは言えないものの、それでも本音と本音がぶつかり、不自然な気遣いによる不快さは避けられる。家族を手放しで讃えないところが誠実だ。

 クライマックスは遂に兄が反撃に出る。…と言っても、その静かな抵抗にはストレスが残る。もっと派手に妹たちを反省させて欲しい。ラッドもそう思ったのかもしれない。だからか、「俺は家族と一緒に、ただゲームがしたいんだ」のセリフに全てを込める。その後の全面的な改心はもっと念入りな描き込みがなされるべきだけれど、一応の格好はついたか。

 笑いにはもっと毒が欲しい。主人公の善良な部分にポイントが置かれた展開のため、ただでさえ語り口はハートウォーミングな方向に流れがちになる。それにあっさり流されるのは、せっかく力のあるキャストを揃えているのに勿体ない。下ネタではなく、思わず我が身を顧みてしまうような、刺激をどんどん投下すれば、よりテーマが明確になったのではないか。

 それから、ラッドの風貌だけはもう少し小奇麗にして欲しかった。肩まで伸びた髪に清潔感はなく、ぼうぼうの髭も匂いそう。締まりのない身体つきなのにタンクトップが基本で、とりわけ二の腕のだらしなさはそんなに強調しなくても良いのではないか。どこかの宗教団体の教祖を思わせるむさ苦しさだ。この映画の男優たちはなぜか、どいつもこいつもむさ苦しいスタイルで現れる。監督の好みなのだろうか。変なの…。





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