デッドフォール 極寒地帯

デッドフォール 極寒地帯 “Deadfall”

監督:ステファン・ルツォヴィツキー

出演:エリック・バナ、オリヴィア・ワイルド、
   チャーリー・ハナム、ケイト・マーラ、トリート・ウィリアムス、
   クリス・クリストファーソン、シシー・スペイセク

評価:★★★




 『デッドフォール 極寒地帯』に出てくる兄妹はどうやら、コーエン兄弟の「ファーゴ」(96年)やサム・ライミの「シンプル・プラン」(98年)を観ていないらしい。猛吹雪の山中で犯罪を実行しても、失敗に終わるものなのだ。まあ、彼らの場合、雪山で足止めを食らったのは想定外のことだろうから、それを責めるのは酷かもしれない。彼らに待ち受ける運命が明るいものとは到底思えないものの、ひとまずその行く末を見守る。

 クセモノが揃えられたアンサンブル劇ではあるものの、その犯罪のスケールは小さい。ステファン・ルツォヴィツキーの興味はそれを描くところにはない。素手やナイフを用いた格闘。スノーモービルによるチェイス。血生臭い暴力。ライフルやショットガンによる銃撃。画面にメリハリをつけようとアクション描写も用意されるものの、それよりも白と黒のコントラストが美しい山景色の方が後に残る。

 雪はもちろん、メタファーだ。災害クラスの雪が人々の足をもたつかせる。ゆっくりとしか前に進めない。突然交通事故が起こる。道路が封鎖され、思いがけない宿泊を強いられる。行き着いた先にある家から出ることも難しい。雪を溶かして新しい道へと踏み出すのは誰か。そのドラマこそがサスペンスということだろう。

 家族の問題がドラマの燃料になる。幼い頃からずっと一緒だった兄と妹は犯罪者だ。八百長試合をきっかけに疎遠になったボクサー家族がいる。警察署長とその娘は仕事上の意思疎通がままならない。現在の関係はもちろん、過去の出来事が彼らの足元を見えない雪で固めていく。その意図がややあからさまに透けているのが苦しいところ。

 それでも感謝祭のごちそうが並ぶ食卓に一同が会する場面はなかなか魅せる。彼らの大半は椅子に座ったままだというのに、その問題が動きを見せるからだ。とりわけ警察から逃げる兄妹の関係が大きな歪みを見せる。単なる血縁関係に終わらないほのめかしが大きな効果を上げ、温かな家族への飢えと愛が、捻れを恐れることなく露わになる。エリック・バナの演技の見せ所でもある。でも、もっと捩じることができただろうと考えるのは意地が悪いか。

 ボクサー役で出てくるチャーリー・ハナムに大きな見せ場はない。気になるのは、ボーズにしたらチャニング・テイタム系の風貌になったことで、相変わらずのマッチョ路線がますますキャラクター被り状態。顔のパーツの大半が中央に寄っていることも強調されてしまった。マッチョには走らない方が良かったのにと改めて思う。ただし、なぜかお商売色が強いメイクのオリヴィア・ワイルドとのカップルぶりは微笑ましいものがあった。





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