オールド・ボーイ

オールド・ボーイ “Oldboy”

監督:スパイク・リー

出演:ジョシュ・ブローリン、エリザベス・オルセン、
   サミュエル・L・ジャクソン、シャールト・コプリー、
   マイケル・インペリオリ、ポム・クレメンティフ

評価:★★




 それまでも有名だったパク・チャヌクの名前を映画界に完全に定着させたのはもちろん、韓国版「オールド・ボーイ」(03年)だ。しかし、アメリカではほとんど知られていない。字幕を読むのが嫌いな者が多いアメリカでは、知る人ぞ知る作品でしかない。「オールド・ボーイ」に限ったことではなく、彼らは外国の傑作を知らないままなのだ。それにハリウッドは目をつける。知らないならば、英語でリメイクしてあげようじゃないか。いや、リメイクして一儲けしようじゃないかが正解か。とにかくこの事実が、リメイク映画の駄作の量産に繋がるわけだ。せめてアイデアが悪くない失敗作の改良に取り組めば良いのに…といつも思う。

 アメリカ版『オールド・ボーイ』もやっぱりかの失敗作だ。スパイク・リーが手掛けても、実力派俳優が揃えられても、この有様。アメリカでリメイクが上手く行かない理由、それはきっと風土と関係がある。名作映画の大抵から、その国独特の匂いが感じられるものだ。良くも悪くも匂いに特徴が感じられないアメリカでは、それを再現できない。情念と呼ばれるものはそして、匂いと密着して際立つものなのだ。

 とりわけ『オールド・ボーイ』のような、人間の業と結びつく邪気や妖気は、場所を選ぶ。20年以上に渡る怨念の物語。ほとんどギャグになってもおかしくない「とんでも設定」が、ここではペラペラと薄っぺらな、頭の中で考えたそれに見えてしまう。これは拙い。

 クライマックスの種明かしを見れば明白だ。遂に一対一で対決する主人公と彼を罠にハメた男が、それぞれの想いを曝け出し、その醜さは頂点に達する。それなのに、濃厚さがちっとも感じられない。下衆なだけのメロドラマではないか。

 すると残るのは、過激な暴力だけになる。レイティングを恐れないのは立派ではあるものの、邪気や妖気と結びつかないそれは、不快でしかないのが困る。残酷さを強調して、だから何なの…という虚しい事態。もっと劇画調に弾けられただろうに、嫌な感触しか残さない。

 脚が短く顔がデカいジョシュ・ブローリンの配役は、オリジナルのチェ・ミンシクを思えば納得できる。ただし、ねちっこさはあまり感じられない。けれどより問題なのは、オリジナルでユ・ジテが演じた悪玉役のシャールト・コプリーではないか。上手い下手で言ったら、間違いなく上手い。いやらしさも悪くない。ところが、得体の知れない変態性は意外なほど薄い。怪しい風貌の男が本当に怪しかったという普通の衝撃以上のものがコプリーから発散されず、物語の底に敷かれた怨念から迫力が浮上しない。これは情念を的確に捉えられないリーの演出の問題かもしれない。





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