300<スリーハンドレッド> 帝国の進撃

300<スリーハンドレッド> 帝国の進撃 “300: Rise of an Empire”

監督:ノーム・ムーロ

出演:サリヴァン・ステイプルトン、エヴァ・グリーン、レナ・ヒーディ、
   ハンス・マシソン、ロドリゴ・サントロ、カラン・マルヴェイ、
   デヴィッド・ウェンハム、ジャック・オコンネル、
   アンドリュー・ティアナン、イガル・ノール、ピーター・メンサー

評価:★★




 ハリウッドのマッチョ至上主義を決定づけた「300<スリーハンドレッド>」(07年)の続編『300<スリーハンドレッド> 帝国の進撃』が登場。前作の舞台となったテルモピュライの戦いとほぼ同時期に起こったサラミスの戦いが描かれる。…なんて言っても興奮しないのは、このシリーズが提供するコンピュータだらけの画面に熱というものが一切感じられないからだ。ひょっとしたら人間の身体もコンピュータ仕様なんじゃないかと疑いたくなる破廉恥な技術濫用。いくら流行りと言えど、全てが作り物に見えるのは損だ。

 強力なペルシャ軍と一般市民からなるギリシャ連合軍の戦いの魅せ方は、前作を倣っている。剣と槍、弓矢を使って繰り広げられる肉弾戦は、アクションに入るや否や、必ずスローモーションが入る。そして残酷に斬りつけられた身体から吹き出した血の行方をじっくり撮り上げる。遺体を舐めるように映すのもお約束。生首が出てくることなんて、当たり前だ。これをベースにした意外なほどヴァリエーションの少ないアクションに拍子抜けする。

 物語はいよいよ単純を極める。戦いしかない物語を潔いと見ることも可能だろうけれど、それにしても浮上するメッセージが「仲間のために死ねるのならこれほどの大義はない。家族のため、ギリシャのために!」というのはどうか。決して諦めないという「少年ジャンプ」的世界観が、映像の味気無さとの相乗効果で、見事に臭い。

 ただ、新味を出そうとした跡はある。例えば海が舞台となっている点。サラミスの戦いは船と船がぶつかり合い、限られた空間でのアクションが求められる。岩礁や石油を使った戦術や船のフォーメーションの工夫等、ちょいと気になる描写はある。ただ、いずれも深くは突っ込まれない。紹介程度で済まされる。コミックのコマ割りを意識した構図を連発する前に、練って欲しかったところだ。

 主人公を演じるサリヴァン・ステイプルトンはいかにもカリスマ性不足で、そのマッチョな身体以外目に残らない。他の男たちもマッチョだらけで、それゆえ普通の青年として出てくるジャック・オコンネルのソフトな佇まいにホッとする。ただし、男たちは結局、束になってかかっても、ペルシャ軍の女傑を演じるエヴァ・グリーンには敵わない。

 海を舞台にしたこと以上に目を引くのは、女であるグリーンがアクションに積極的に参加していることで、その残忍なキャラクターもあって強烈なインパクトを残す。全身から漂う妖気が男たちとは全然違うのだ。嬉々として人を殺す様が妙に艶めかしい。どうもこれが、グリーン起用法に対するハリウッドの答えらしい。

 笑わずにはいられないのは、グリーンがステイプルトンをお色気攻撃する場面だ。密室でふたりきりになったとき、ステイプルトンを誘うグリーン。てっきり相手にしないと思いきや、あっさり乗っかるステイプルトン。ふたりはしっかり合体し、その状態で優位に立とうとする。つまりセックスにより戦う。このときふたりの下半身が映らないのが、死ぬほど惜しい。ちゃんと撮っていたら歴史に残ったかもしれない。珍場面として。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ