わすれた恋のはじめかた

わすれた恋のはじめかた “Love Happens”

監督:ブランドン・キャンプ

出演:アーロン・エッカート、ジェニファー・アニストン、ダン・フォグラー、
   ジュディ・グリア、ジョー・アンダーソン、ジョン・キャロル・リンチ、
   マーティン・シーン、フランシス・コンロイ、サーシャ・アレキサンダー

評価:★★




 ジェニファー・アニストンが演じているのは花屋を営む女性で、それゆえ花屋の仕事場面がチョロッと出てくる。pH調整剤等専門的なものを使った手入れやカードサーヴィスが出てくるのも嬉しいけれど、やっぱり多彩なデザインをした花々の色を眺められるのがいちばんだ。人工的ではない、色とりどりの花が映し出される、それだけでちょっと幸せな気分になる。ひょっとすると花屋は最も幸福な職業のひとつではないかとすら思うときもある(もちろん大変なこともたくさんあるだろうけれど)。ヒロインが花屋さん役で得した気分。

 ただし、花屋さんは主人公ではない。と言うか、映画の主題を見え難くする存在だったりする。『わすれた恋のはじめかた』の中心人物はアーロン・エッカートで、自己啓発セミナーを開いている人気作家。3年前に交通事故により妻と死別し、依然立ち直れないままに(それを隠して)、「A-OKAY!」なる、愛する人を亡くしたところからいかにして浮上したかを綴った本をベースに、アメリカ各地を回ってセミナーを開いているという設定。

 皮肉というほどには設定が効いていないのはさて置き、つまり愛する人の死を引きずった男が過去と向き合う第一歩を描いているわけで、アニストンとの恋愛パートはたいして重要な意味をなしていない。講演先のシアトルでアニストンに一目惚れをしてナンパするエッカートは、すっかり立ち直っているのではないかという気もするし、その会話も当たり障りのないところに終始しているのがじれったい。新しい恋で心を癒しているわけでもあるまいし。強引にラヴストーリーに持ち込んでいる印象すらある。

 男がセミナーで訴えるのは、「悲しみに向き合わなければツケが回ってくる」「故人の死を嘆くより生を慈しむことが大切だ」等のキメゼリフを使っての物の見方、或いは歩き出す勇気である。大変立派な正論なのだけど、同時になんて退屈で空虚な正論だとも思う。そもそも自己啓発セミナーというのが胡散臭くて、受け付けられないのが困った。参加者の大半はそれをあっさり受け入れているし、拒否している者も最終的には主人公に感謝する。宗教的な臭みが強いと言うか何と言うか。個別のカウンセラーを受けるのではダメなのだろうか。クライマックスでの義父を絡めた演説では、何の茶番なのかと軽い眩暈。

 主人公が寂しい状況下にあるので、演出ぐらいはと思ったのか、軽やかさを意識したそれが採られている。まことに結構な選択ではあるものの、主人公が空騒ぎすればするほど痛々しく見えてしまい、結局画面はどんどん沈んでいく。シアトルの雨がそれを強調する。おそらく作り手がキャラクターを操縦し切れていないのだろう。





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