マンデラ 自由への長い道

マンデラ 自由への長い道 “Mandela: Long Walk to Freedom”

監督:ジャスティン・チャドウィック

出演:イドリス・エルバ、ナオミ・ハリス、ドニー・キゴロギ、
   リアード・ムーサ、リンディエ・マチギザ、
   ジス・ドゥ・ヴィリエ、ファナ・モコエナ

評価:★★




 一体全体、これまで何度ネルソン・マンデラを映画で見てきたのだろう。南アフリカを象徴するシンボルであるマンデラの人生は、そのまま南アにおける人種差別社会の歴史でもある。マンデラは社会と闘い続けたファイターなのだ。刑務所内で身体を鍛えるシーンがなくても、彼の精神的な戦いは手に取るように分かる。

 そんなわけで斬り口が重要になるマンデラ映画だけれど、『マンデラ 自由への長い道』はいたって普通の作りだ。幼少期から始まる物語は、マンデラの人生の転換期を定点観測。悪しきアパルトヘイトが生み出した現実と共に、人生の大半を刑務所で生きることを余儀なくされたマンデラの過酷な生き方を切り取る。まあ、分かりやすいと言うより、もはや今更の感の拭えない見せ方だ。それぐらいマンデラは、南アの世界に留まらない人物になったのだ。

 そもそもマンデラの聖人化がつまらない。最初の結婚時に見せる人間的未熟さ以外は本当に立派な人物で、不屈の精神で人生の荒波を生き抜いていく様には頭を下げるしかない。けれど、その立派さが次第に宗教めいてくるのはどうなんだろう。南アの黒人がマンデラに縋る理由。カリスマ以外のものが見えないがゆえの平坦さが気になる。他の誰かでは駄目だったのはどうしてか、それが浮上しない。

 思うに映画化すべきはマンデラではなく、その妻ウィニーなのではないか。ロマンティック・コメディのような出会い方をしたふたりが急速に接近して結婚。マンデラが27年にも及ぶ夫の投獄生活を耐えられたのはウィニーの存在が大きかったはずなのに、しかし時は残酷、彼女の心は少しずつマンデラから離れていく。政治的に見ても男女の関係から見ても。でも、それを誰が責められるのだろう。マンデラよりも人間臭く、よほど映画化のし甲斐がある気がする。

 それにしてもこの映画、主演のイドリス・エルバを全然マンデラに似せようとしていない。メイキャップにかける予算がなかったのだろうか。エルバの老けさせ方が強引で、途中から笑い顔が梅沢富美男にしか見えなくなるのに驚愕。まあ、全然似ていないエルバを起用した時点で、外見の違和感は無視することにしたのかもしれない。

 思いがけず楽しいのは女たちの衣装だ。アフリカならではの色彩や模様、デザインが次々登場。ウィニー役のナオミ・ハリスも美しく着こなしている。やはりウィニーを中心に置いた物語を観たかった。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ