バージニア その町の秘密

バージニア その町の秘密 “Virginia”

監督:ダスティン・ランス・ブラック

出演:ジェニファー・コネリー、エド・ハリス、ハリソン・ギルバートソン、
   エマ・ロバーツ、エイミー・マディガン、キャリー・プレストン、
   トビー・ジョーンズ、イヤードリー・スミス、ルーカス・グラビール

評価:★




 何が落ち着かないって、ジェニファー・コネリーが落ち着かない。日本人好みの整った顔立ちは以前と変わらないものの、金髪が恐ろしく浮いているのが原因だ。コネリーと言ったらやっぱり黒髪。流れる長い髪の美しさは、ある意味トレードマークだ。それが今回プラチナブロンドに染め上げられ、しかし眉毛は黒いまま、口紅を赤く、肌を白くすると、何かの冗談かと思うほどに画面に馴染まない。おそらく狙いもあるのだろう。エキセントリックな側面を強調したかったのに違いない。けれど、さすがに物語に集中できないのは拙いのではないか。

 コネリーが演じるのは、海辺の田舎町で思春期の息子と暮らすシングルマザーだ。20年に渡って町の保安官の愛人として生きている。ところが、保安官が政界に進出することが決まり、彼女に冷たくなったことから事態はややこしくなる。物語を大切にするというよりも、保安官の政界入りをきっかけに人間関係が揺れる様に着目した作り。これが滅法つまらない。理由は明らかだ。

 登場人物に興味が持てないのだ。政界を意識して不倫関係を清算しようとする保安官。夫の真の姿を知って狼狽える妻。母の傷心を知り怒りを抱える息子。親に止められても恋をやめられない娘。…何と言うか、非常に予想通りの行動に出るばかりで、しかもそのやり口が極めて幼い。しかも、彼らが動いても話自体はほとんど動かない。停滞台風みたい。

 唯一ヒロインの言動だけが予測不能だ。どうやら過去に精神を病んで入院したことがあるらしく、統合失調症なんて言葉も出てくる。けれど、そういう言葉を持ち出すのが不謹慎に思えるほどに、彼女のそれは愚かしい。妊娠したと嘘をついて腹を膨らませるわ、ゴリラの被り物を着用して強盗に入るわ、モルモン教徒に改宗しようとしてとんちんかんになるわ…。彼女をしっかり者の息子が支えようとするという構図が、安易で鬱陶しい。

 クライマックスになると突然ヒロインがまともになる。それまで散々息子を振り回しておきながら、突如母性に目覚めるのだ。命を懸けて息子を守ろうとする姿が、もはやギャグにしかなっていない。思いつめた目で泣き叫ぶコネリーの演技も、ここでは全くプラスにならない。その前にホレ、ブロンド・スタイルでイッちゃってるしな。

 『バージニア その町の秘密』の監督を手掛けたのは「ミルク」(08年)の脚本で有名なダスティン・ランス・ブラックだ。画面作りも、登場人物の出し入れも、編集のリズムも、熱が感じられずいまいち冴えず。息子が耳の形で父親を知ろうとする序盤の件だけが面白いという不幸。悪いことは言わない。脚本家に専念した方が良い。この映画も、他の監督の演出がつけられたら、もう少しマシになった気もする。





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