キル・ユア・ダーリン

キル・ユア・ダーリン “Kill Your Darlings”

監督:ジョン・クロキダス

出演:ダニエル・ラドクリフ、デイン・デハーン、マイケル・C・ホール、
   ジャック・ヒューストン、ベン・フォスター、デヴィッド・クロス、
   ジェニファー・ジェイソン・リー、エリザベス・オルセン、
   ジョン・カラム、カイラ・セジウィック

評価:★★




 ビート・ジェネレーションを描いた映画が作られ続けている。よほど映画作家たちの創作意欲をかき立てるらしい。確かに面子が派手だ。ジャック・ケルアック、ウィリアム・バロウズ、アレン・ギンズバーグが三大スターか。小説や詩により今なお、文学界に影響を与え続ける彼らの人生は、その作品並に興味を惹かれるところがある。

 『キル・ユア・ダーリン』はその中でもギンズバーグと、詩人としての彼をインスパイアしたルシアン・カーを中心に描く物語だ。ケルアックもバロウズも出てくる。…となると会話が凝ったものになるのも当然で、「パーティに行きたがるのは社交性に欠ける連中だ」「しらふのくせに“幸せ”だなんていう奴らは、ケツの穴がシワだらけのとんでもない嘘つき野郎だ」なんてセリフがぽんぽん飛び出す。それこそ情感豊かな詩の味わいに通じる。

 ギンズバーグがコロンビア大学に入学した当初の、彼の周りに後の有名作家たちが集まる件はとりわけ愉快だ。才能が才能を呼び寄せ合う感じが良く出ている。言葉に対する彼らの興味が、言葉を武器にぶつかり合う感じ。何か新しいものが生まれる瞬間を目撃しているような興奮。当時の空気も彼らにぴったりだ。学生のファッションも街角の匂いもバーの妖しさも…。

 ところが後半、やおい映画へと姿を変えてしまう。ギンズバーグのカーへの愛情が妄想という形によって表現される。図書館で女にフェラチオされるのを目撃される場面が合図だった。その後のギンズバーグは恋する乙女と化し、カーをひたすら熱い目で見つめるようになる。妄想は素っ裸の交わりへ結実する。

 強化されるのはギンズバーグがカーに振り回されるという構図だ。恋しい人に忠実なギンズバーグは犬型。気まぐれに態度を変えるカーは猫型。ギンズバーグがいかにしてカーとの関係を断ち切ったか、そこに焦点を合わせた少女漫画は、カーが引き起こした殺人事件の謎が持つ力をうやむやにする。思わせぶりに描きながら、そのまんまだったという解釈。

 そんなわけで最も力が入れられているのが、ギンズバーグとカーの仲良し場面であることは間違いない。演じるダニエル・ラドクリフとデイン・デハーンも思い切っている。でもまあ、とりたてて同性愛に興味のない者には惹かれない組み合わせかもしれない。

 それよりも彼らの役作りの方に目が行く。ラドクリフはワカメのような髪型でギンズバーグを熱演。けれどより強い印象を残すのは、存在そのものがデンジャラスなカー役のデハーンだ。身体の芯に磁石でも通っているかのような吸引力。目の動きひとつで場の空気を変えるのが素晴らしい。





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