バレット・オブ・ラブ

バレット・オブ・ラブ “The Necessary Death of Charlie Countryman”

監督:フレデリック・ボンド

出演:シャイア・ラブーフ、エヴァン・レイチェル・ウッド、
   マッツ・ミケルセン、ティル・シュヴァイガー、ルパート・グリント、
   ジェームズ・バックリー、ヴィンセント・ドノフリオ、メリッサ・レオ

評価:★★




 相変わらずエヴァン・レイチェル・ウッドは凄味がある。まだ20代半ばだというのに、この貫禄は何なんだ。チェロ奏者役で登場する『バレット・オブ・ラブ』でいつもと違う印象なのは、赤毛のショートヘアでキメているからだ。まとう空気がパンクに近い。真っ白な肌も付け睫毛とアイシャドーばっちりの目化粧も指輪やピアス等のアクセサリーもパンク風味。パンクで統一してもそれに呑まれないのがウッドだ。横顔の美しさも特筆に値する。ただし、真正面から見ると、エラの主張がやや煩くなってきたかもしれない。

 一見クライム・スリラーだ。旅先のルーマニア、ブカレスト、母を亡くした青年がひとりの美女に出会ったことをきっかけに命を危険に晒す犯罪に巻き込まれる。所謂観光名所は出てこないし、青年は物語が進めば進むほど、どんどん傷が増えていき、身体はボロボロになり、もちろん血塗れになる。

 けれど、これはもしかしたら変種のロマンティック・コメディと見るべきなのではないか。思い出したのは「キミに逢えたら!」(08年)だ。どちらも孤独な若い魂が運命の人に出会い、街を浮遊する様が綴られる。

 「キミに逢えたら!」ではふたりを結びつけるものは音楽だった。ここでは代わりに暴力が接着剤の役割を果たす。死の匂いが大変濃い。問題はこの最も重要な部分がチープに見えることだ。…と言うのも暴力を見せることで、愛の純粋さを際立たせる手法というのは、案外ありふれたものでしかないからだ。映像と街並みの力を借りて詩情を捻り出そうとするのも安易と言えば安易だ。

 それでも確かにその醸し出す空気感には捨て難い味がある。運命的なふたり…なんてドラマティックな男女が出てくるわけではないものの、身体を流れる血が互いに欲しているような不思議な磁力が、ブカレストの怪しさと呼応を見せる。離れようとしても離れられない感じが空気に封じ込められているあたりは、手柄と言って良い。

 青年をシャイア・ラブーフが演じる。髭面で髪は長め。ちょいと小汚い風貌なのに、その活きの良さは隠せない。ファニーフェイスに浮かぶ純情が本当らしく見える(逆に言うと、悪い役柄を演じるラブーフは想像し難い)。情けなさを人間臭さと結びつけられる力を持っている。ウッドとの見た目の相性も悪くない。愛のために身を投げ出す姿には、穴だらけの展開を補う説得力がある。





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