アドミッション 親たちの入学試験

アドミッション 親たちの入学試験 “Admission”

監督:ポール・ウェイツ

出演:ティナ・フェイ、ポール・ラッド、ナット・ウルフ、
   リリー・トムリン、ウォーレス・ショーン、マイケル・シーン、
   グロリア・リューベン、トラヴァリス・スピアーズ、
   クリストファー・エヴァン・ウェルチ、ソーニャ・ヴァルゲル

評価:★★




 アメリカの大学入学試験が日本のそれとは全く異なるというのは良く知られているところ。高校での成績、統一試験、課外活動記録や推薦書、面接といったものの総合評価で合否が決まる。『アドミッション 親たちの入学試験』で最も興味深いのは、その過程を描いた描写だ。そこに潜む問題点を冷めた目で見つめながら、笑いへの変換を試みる。試験担当の見方次第で、あっさり生徒の運命は変わる。

 ティナ・フェイが演じるヒロインは大学側の人間で、ポール・ラッド演じる新設校の教師から一押しの卒業生を紹介される。このふたりの攻防を描く喜劇にするのが得策だと思うのだけれど、欲張ったポール・ウェイツはそこにロマンティック・コメディの要素や母性のドラマを絡ませる。どこに焦点があるのか分かり難いのはそのためだ。

 とりわけ母性のドラマは余計だ。一押し卒業生が若き日に養子に出した我が子だと知ったフェイの暴走が始まる。離れたくて離れたわけではない我が子を何とか合格させたい。斯くして彼女は平等な視点を持つことを忘れ、そればかりか不正を働くことを決意する。後半になるに従い、どうも不快感が強くなる。後味も良くない。この点が喜劇との相性の悪さに繋がっているからだ。

 ラッドは最近のあくの強さを封印。完全にフェイの引き立て役に回っている。生徒を思い、息子を大切にする、優しい教師でしかない。となると、フェイのコント風演技が浮き上がる。ヘレン・ハントに似ているのは気がかりでもブスではないフェイが、テレビで見せるあのコメディのタイミングを映画そのままに持ち込んでいて、映画用の演技ではなくコント用の演技にしか見えなくなる。

 しかも後半それが過剰にシリアスなそれに化ける。息子にまつわる話の顛末が安易であることも手伝い、軽快感までもが奪われていくのだ。女同士のライヴァル関係やら上司との衝突やら元恋人との気まずい会話やら母親との和解やら…全てが中途半端なままに、重苦しい気配が立ち上がる。恋模様を解毒剤に使うのは明らかに間違いだ。

 ウェイツはひょっとしたら「アバウト・ア・ボーイ」(02年)のような空気を狙ったのかもしれない。ドラマとコメディを幾度となく衝突させる。ただ、フェイの母としての暴走をメインに置いた時点で、その成功の目は消えたことに気づくべきだった。母の想いはコメディと密着し難い。むしろホラーと相性が良いものだからだ。





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