キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー

キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー “Captain America: The Winter Soldier”

監督:アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ

出演:クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、セバスチャン・スタン、
   アンソニー・マッキー、コビー・スマルダーズ、フランク・グリロ、
   エミリー・ヴァンキャンプ、ヘイリー・アトウェル、
   ロバート・レッドフォード、サミュエル・L・ジャクソン、
   ドミニク・クーパー、アーロン・ジョンソン、エリザベス・オルセン

評価:★★★




 一作目(11年)に描かれたキャプテン・アメリカの魅力は、何と言ってもレトロスペクティヴなヒーロー像にあった。無理もない。時代は第二次世界大戦下、敵はナチスの科学班であるヒドラだ。だがしかし、キャプテン・アメリカは現代アメリカに蘇る。いかにもアメリカ的な正義の心と共に。結果、そのヒーロー性がどこかで見たようなものになった感は否めない。

 人間的な描かれ方だった超人能力は、もはや不死身に通じるほど強力なものになり、そのアクションは視覚効果がバンバン投入された派手なものになった。星条旗がデザインされた盾をブーメラン代わりに操り(背負ったときは亀仙人風)、アクロバティックな技を次々キメながら疾走する姿。もはやスーパーマンよりもアメリカの匂いが濃い。爽快には違いないけれど、古風な魅力が薄れて、ちょっと勿体ない気もする。

 …とは言え、『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』は正統派のヒーローとしての魅力はシリーズ中最高だろう。刈り込まれた脚本、テンポの良い編集の力を借りて、矢継ぎ早に訪れるピンチを、実に頼もしく乗り越えていく。クリス・エヴァンスはインパクトは薄くとも整った顔立ちから爽やかさを失わないまま、走る姿が良い。けれど、作品の本当の魅力は脇役にあり、だ。

 スカーレット・ヨハンソン演じるブラック・ウィドウは相変わらずカッコイイ。アクションが似合うし、赤毛もスーツ姿も美しい。キャプテン・アメリカとの間に仄かに漂う男と女の匂いも、大変健全にいやらしい。サミュエル・L・ジャクソン扮するニック・フューリーも大々的にフィーチャーされて場をさらう。カーアクションが彼の担当だ。ジャクソンも楽しかっただろう。

 注目は新キャラクターふたり。アンソニー・マッキーが獲得したファルコンはメカの翼を装着して空を自在に飛び回る。空中アクションが登場することで画面にメリハリを出している。彼はあくまで「キャプテン・アメリカ」シリーズのサブキャラクターなのだろうか。ひょっとすると「アベンジャーズ」(12年)のホークアイよりもキャラクターが立っているような気もするのだけれど…。

 キャプテン・アメリカに立ちはだかるのはウィンター・ソルジャー。セバスチャン・スタンが演じるこの役どころは、実は一作目からの続投。その翳りがなかなか泣かせる。キャプテン・アメリカとウィンター・ソルジャーの人生が交錯したときの哀しみは、ちょっとしたシェイクスピア劇風ではないか。スタンはアクションも頑張っていて、ざんばら髪を振り乱しながら素早い動きを見せる。主人公とは対極のアメリカの闇を忍ばせたキャラクターとして、今後の展開を期待させる。

 クライマックスがプチ・アベンジャーズのようだったのも愉快なところ。今回集まったヒーローたちが方々に散らばって自分たちの仕事をこなしていくところ。チームワーク性が強調されて良い。何というか、「アベンジャーズ」の世界が細かいところにまで広がっていく快感のようなものを感じる。

 監督を務めたアンソニーとジョーのルッソ兄弟は、アクション映画ファンなのだろうか。「スピード」(94年)や「ボーン・アイデンティティー」(02年)等既存映画を思わせる場面が散らばっている。ロバート・レッドフォードの出演は70年代社会派映画のオマージュか。ネタの拝借というより、確信犯的に遊んでいるように見える。歓迎したい余裕だ。





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