ウォルト・ディズニーの約束

ウォルト・ディズニーの約束 “Saving Mr. Banks”

監督:ジョン・リー・ハンコック

出演:エマ・トンプソン、トム・ハンクス、コリン・ファレル、
   ポール・ジャマッティ、ジェイソン・シュワルツマン、
   ブラッドリー・ウィットフォード、ルース・ウィルソン、B・J・ノヴァク、
   メラニー・パクソン、アニー・ローズ・バックリー、キャシー・ベイカー、
   レイチェル・グリフィス、アンディ・マクフィ、ロナン・ヴィバート

評価:★★




 映画史に残るミュージカル「メリー・ポピンズ」(64年)は映画化が検討されてから実現するまで、なんと20年もの歳月を要したのだという。それもこれも原作者のパメラ・L・トラヴァースが企画にゴーサインを出さなかったため。『ウォルト・ディズニーの約束』は名作誕生の裏側を描き出す。

 笑いと感動を狙ったいかにもディズニー映画らしい作りの中で、大半の笑いを担当するのはトラヴァースを演じるエマ・トンプソンだ。そもそも映画化に反対している彼女はディズニーを前にしても臆することなく次々注文をつける。私が生みの親だから従って当然とばかりに辛辣な言葉が矢継早に飛び出す。話が陽気過ぎる。ハッピーエンドなんて嫌い。ミュージカルは必要なし。アニメーションなんて持っての他。脚本家も作曲家もトラヴァースの言いたい放題に唖然呆然。

 トンプソン独特のユーモア感覚に救われている部分が大きいのだろう。どれだけ厳しい言葉が並べられても、何故か彼女を憎めない。ほとんどイチャモンではないか、ただのわがままではないかと言いたくなるところも、嫌悪感を抱かせない。言葉の裏には悪意がなく、あくまで作品のため、そして大切な思い出のためだからだと悟らせる芝居だからだ。やや計算が透けて見えるところには目を瞑るべきだ。

 そうまでしてトラヴァースが守りたい思い出というのがいまいち面白くない。夢見がちで生きることに不器用だった父親をめぐる物語が案外平凡だ。父親は娘を愛していた。娘も父親を愛していた。それでも悲劇は止められなかった。作品が父と自分の想いを反映させたものだからというだけでは、綺麗過ぎる。このあたりはディズニー映画の限界がちらつく。ただし、思い出の中の父を演じるコリン・ファレルは、その息苦しい佇まいが悪くない。

 「メリー・ポピンズ」が無事完成に漕ぎ付くのは誰でも知っていることで、その最大の立役者がディズニーだったというのは、まあ真実なのだから仕方がないのだろう。夢の国の王様であるディズニーには様々な噂が付きまとったけれど、ここに出てくるディズニーは夢の力・映画の力を誰よりも信じる好人物だ。人に見せたくないという理由で隠れて煙草を呑む場面が出てくるのが、せいぜいだ。トム・ハンクスが映画のキャラクターとしてはさほど面白味のない人物に人間味を加えているのが救いか。

 トラヴァースとポール・ジャマッティ扮する専属運転手の掛け合いを、ディズニーとのそれよりも好ましく見た。大人の人間と人間が互いを尊重して話している感じが良く出ていた。運転手の娘が障害者だという設定は余計であるものの、それ意外は慎ましく朗らか。ジャマッティの上手さもあって、つい頬が緩む。





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