アナと雪の女王

アナと雪の女王 “Frozen”

監督:クリス・バック、ジェニファー・リー

声の出演:クリステン・ベル、イディナ・メンゼル、ジョナサン・グロフ、
   ジョシュ・ギャッド、サンティノ・フォンタナ、アラン・テュディック、
   シアラン・ハインズ、クリス・ウィリアムス

評価:★★★




 まず、何と言っても雪や氷の表現に目を奪われる。何でも凍らせてしまう力を持った姉エルサが創り出す極寒の世界。雪と言っても、ちらつくものもあれば、吹雪くものもある。ぴかぴか光るものもあれば、優しく照らし出すものもある。硬いものもあれば、柔らかいものもある。3D効果も手伝って、雪景色が実に表情豊かだ。Wヒロインの目が日本の少女漫画みたいに気持ち悪いくらいに大きいのには、気づかないことにする。

 背景の魅力はそのまま、ディズニー・アニメーション『アナと雪の女王』の想像力の豊かさに繋がっている。エルサが次々繰り出す魔法は思いがけない驚きに満ちているし、それが街並みや城、海に浮かぶ船、剣といった背景や建築物、アイテムと密着したとき、一層の輝きを見せる。

 トドメを刺すのはやはり、「Let It Go」が歌われるミュージカル場面だろう。イディナ・メンゼルの歌声はキンキンしていて好みとは違うのだけど、そんなのは些細なこととばかりに素晴らしい高揚感に包まれる。遂に自分を解き放った姉の心と彼女という人間を優しく包み込む雪景色が、耳に残るメロディに乗って飛翔する。視覚効果も大変美しい。この場面だけでも一見の価値がある。

 珍しいのはヒロインが姉エルサと妹アナ、ふたりいることではない。物語の全体構造が「善と悪」のせめぎ合いになっていないことだ。姉妹は互いを想い合っているのに、どうしても一緒にいられない。その難しさを見事に物語に封じ込めている。アナは愛ゆえエルサを求め、エルサは愛ゆえにアナを拒絶する。

 おそらく子どもはエルサが見せる愛の形を理解するには難しいところがあるはずだ。けれど大人であるならば、確かに拒絶することでしか見せられない愛があることを身を持って知っているはず。そしてそのときの痛みも…。もしかしたら一生一緒にはいられないかもしれないこの愛が、いかにして寄り添い合うのか。それがとても丁寧に描き出される。

 キャラクターも愉快だ。ふたりの王子様の立ち位置がユニークだし、岩のトロールも可愛らしい。トナカイも温か味を感じさせる。しかしやっぱり雪だるまのオラフが良い味だ。ユーモアという点にやや物足りなさがあった画面に、突如嫌味のない笑いを振り掛ける。動きもキュート。

 愛とは自分より、その人のことを想うこと。ちょっと照れ臭くもあるテーマが輝くラストに、脚本の懐の広さを見る。ディズニー・アニメーションの復活は、今度こそ本当かもしれない。





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