オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主

オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主 “Odd Thomas”

監督:スティーヴン・ソマーズ

出演:アントン・イェルチン、アディソン・ティムリン、ググ・バサ=ロウ、
   ニコ・トルトレッラ、パットン・オズワルト、ウィレム・デフォー、
   レオノール・ヴァレラ、マシュー・ペイジ、ケイシー・メッサー

評価:★★★




 死者が見える能力を持つ主人公…と聞くと、どうしても「シックス・センス」(99年)を思い出してしまうけれど、『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』はそれよりも、TVシリーズ「ミディアム 霊能者アリソン・デュボア」(05~11年)が近いのではないか。死者が暗号のように出してくるヒントを基に、主人公が事件を解決へと導く。推理劇の趣が共通している。

 オッド・トーマスはレストランで働く気ままなフリーターで、優秀な助手タイプの彼女持ち。死者が現れるとサインを読み取り、彼らの成仏の手助けをする。とんだお人好しだ。ボダッハと呼ばれるプレデターを思わせる悪霊がいるところには殺人事件あり。どういうわけだか最近このボダッハが大量発生中。その事件解決が主軸になるものの、一向にサスペンスは盛り上がらない。そしてそれで良い。

 何故か。作り手は本格的なゴーストムービーを目指してなどいない。彼らが今回挑戦したのは、80年代に大量生産された、特殊能力や特殊機械を扱ったポップコーンムービー、或いは能天気なホラームービーの再現でないかと思うのだ。最も分かりやすいところで言うと、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」(85年)の、あの雰囲気。「グレムリン」(84年)あたりの、あの匂い。ドキドキハラハラさせる展開が矢継ぎ早に訪れ、けれど決してシリアスになることなく、ハッピーエンドに向かってまっしぐらの、愛すべきぼんくら風味。

 南カリフォルニアの田舎町。ボウリング。巨大ショッピングモール。カーアクション。キス。明かりが消えない夜。主人公の独り言。視覚効果がチープなのも、あの世界観にピッタリではないか。確信犯なのかどうかは分からないけれど…。ハッピーエンド部分に関してだけは捻りがあって、やや苦味が意識されている。

 主人公のアントン・イェルチンが、いかにも80年代映画に登場しそうな適度なオタク風をちらつかせる。お馴染みのちりちり頭が大人びて見えるのは、首が太くなったからだろう。タフさが出てきた。…といっても、肩の力が抜けているのが良い。イェルチンをサポートする警察署長役がウィレム・デフォーというのは、狙いなのだろうか。これまたポイントを突いた配役と言える。

 最近の特殊能力映画と言うと「クロニクル」(12年)が断然面白い。それと比較すると、随分古めかしく見えるのは事実だ。現代を舞台にしているのに、時代遅れにも思える。けれど、ホッとする。あの郷愁さえ誘う空気が心地良い。80年代再評価の波に乗っているとは思えないものの、憎めない愛敬を具えているのは確かだ。





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