マイティ・ソー ダーク・ワールド

マイティ・ソー ダーク・ワールド “Thor: The Dark World”

監督:アラン・テイラー

出演:クリス・ヘムズワース、ナタリー・ポートマン、トム・ヒドルストン、
   アンソニー・ホプキンス、レネ・ルッソ、イドリス・エルバ、
   クリストファー・エクルストン、アドウェール・アキノエ=アグバエ、
   ステラン・スカルスガルド、カット・デニングス、ジョナサン・ハワード、
   レイ・スティーヴンソン、ザッカリー・リーヴァイ、浅野忠信、
   ジェイミー・アレキサンダー、ベニチオ・デル・トロ、クリス・エヴァンス

評価:★★★




 今更ながら「アベンジャーズ」(12年)の歴史的成功がもたらした多大なる財産を思う。我らがヒーローたちが一堂に会して戦うドリームプロジェクト。アイアンマン、キャプテン・アメリカ、ハルク、ホークアイ、ブラック・ウィドウ、そしてソー。これ以上ないカリスマを具えたヒーローたちは、一枚看板でも支持を得られる人気を確固たるものにした。ファンは「アベンジャーズ」のメンバーに対して絶対的信頼感を持つ。ちょっとやそっとの不満は大目に見てしまうくらいに。

 ソーを主人公にしたシリーズ第2弾『マイティ・ソー ダーク・ワールド』など、実のところ、話はよく分からない。惑星直列だとか重力異常だとかもっともらしい言葉が並べられ、宇宙で何か大変なことが起こっていることは分かる。ただ、その細部の調査は観客を置き去りにしたままキャラクターが勝手に進めるだけだ。なぜジェーンなのか。なぜ地球なのか。なぜロキなのか。なぜ敵が「グリーン・ランタン」(11年)級にマヌケな容姿なのか。目を凝らせば頭に入るはずのことなのに、ちっとも頭に入ってこない。分かりたい気にさせないと言い換えることも可能だ。

 それにも関わらず、結局楽しい。ソーがユニークだからだろう。一作目(11年)の頃とは別人のような人格者になったものの、出てくるだけでパーッと画面が明るくなる陽の個性は失われていない。彼以外には考えられないスケールとチャームを併せ持つクリス・ヘムズワースが厚い厚い胸板やぶっ太い二の腕で大暴れ。それだけで満足してしまうのだ。

 ソーが輝くのは、断然地球だ。宇宙やらアスガルドやら異次元空間やらを背景にすると、「スター・ウォーズ」(77年)を思わせるゲーム的な画面になるのが物足りない。ところが地球だと、今回はロンドンだと、あの赤いマントと重くは見えない甲冑をまとった、長髪ブロンドのソーは完全に浮き上がり、そのミスマッチの妙が最高の味わいを醸し出す。可愛いやら可笑しいやら。作り手もそれを承知で、ソーが地下鉄に乗るカットを入れるサーヴィスぶり。

 クライマックスは地球と宇宙を瞬間移動しながらの肉弾戦だ。地球の画から漂うミスマッチと宇宙空間のクールさが交互に映し出されることで、シュールさをまとった独創的な疾走感が生まれている。この場面はソーの武器であるハンマーの、「愛犬」ぶりにも注目だ。ソーに忠実で、とても可愛らしい動きを見せる。

 ロキの扱われ方には驚く。「アベンジャーズ」の敵に選ばれるくらいに人気を獲得したロキは、今回ソーよりも先に画面に登場するVIP待遇。中盤はロキは信用できるのか、それともまた裏切るのかにサスペンスが置かれ、ソーよりも目立っているくらいだ。トム・ヒドルストンの爬虫類的美貌もいよいよ絶好調だ。

 そう言えば、ソーやロキはそろってジェーン(目がきつくなってきたナタリー・ポートマン)に殴られる。ソーなど二回も殴られる。長年思ってきたことだけれど、イイオトコというものは殴られ上手だ。殴られても、殴った女に罪悪感を抱かせないように導く器の大きさを感じさせるからだろうか。その点、ヘムズワースもヒドルストンも全く問題なし。実に気持ち良く平手を喰らう。どちらもイイオトコということだ。そして、そのふたりが兄弟として揃えられたシリーズに対して、我々はもっと感謝するべきだ。





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