ザ・イースト

ザ・イースト “The East”

監督:ザル・バトマングリ

出演:ブリット・マーリング、アレクサンダー・スカルスガルド、
   エレン・ペイジ、パトリシア・クラークソン、トビー・ケベル、
   シャイロー・フェルナンデス、アルディス・ホッジ、
   ダニエル・マクドナルド、ジェイソン・リッター、ジュリア・オーモンド

評価:★★




 「人間は自然を虐げている。でも、それを認めない」というのが環境テロリストの言い分だ。ヒロインは『ザ・イースト』という名の組織へ潜入捜査を試みる。組織の実態を暴き、彼らがどこを狙っているのかを探る。正体がばれれば命の危険に晒される。彼女は任務を遂行できるだろうか。

 いくらでもサスペンスを盛り上げられる話なのに一向にそうならないのは、物語が端からそれを目指していないからだ。狙いは環境テロリストの思考回路を露にすることだ。一見自然大好き・キャンプ大好きな兄ちゃん姉ちゃんの集まりが、どうして同じ人間を危険に追い込むことができるのか。そうしてテロリストの生活に馴染んだヒロインが彼らに親近感を持ち、あろうことかリーダーに恋心まで抱くというのが、甘ったるい。青春ごっこに興じているように見受けられる場面すらある。

 森の中の小屋、ランプの薄明かりの下、キスやハグを命令するゲームに興じるカットには気恥ずかしくなるばかりだけれど、それよりもヒロインのプロ意識の欠如が気になる。組織に潜入したからには、決して素性を明かしてはならない。それにも関わらず、疑いを持たれても仕方のない言動、それも作戦現場での安易な言動が多い。もちろん燃料になるのは正義心というヤツだ。

 思うに、どんな理屈を並べたところで、テロ行為が悪いことだというのは、大半の人が分かっているのだ。ヒロインがあっさり情に絆されて悩む姿が、思い切り浮き上がる。ヒロインがやるべきは、作り手がやるべきは、善悪の境界を曖昧にしてしまうほどの「動機」や、思わず納得してしまうほどの「思考」を掘り下げることのはずだ。正義心は言い訳にならない。

 細部には地味ながら見所がある。組織の生活風景や捜査法がそれだ。クリップによる手錠外し。接着剤による傷の縫合。手を使わない食事。湖での入浴。ゴミを漁っての食料の調達。ちょっとしたカルト集団。その趣は地味だけれど、展開やキャラクターがもっと地味なので、余計に見入るのかもしれない。

 リーダーを演じるアレクサンダー・スカルスガルドの使い方には笑う。完全に彼だけミーハー的演出がつけられる。上半身裸や尻丸出しのサーヴィスカットがあるのはもちろん、髪の毛ぼうぼうのホームレス的風貌から一転、作戦決行時に突然髪型とスーツをばっちりキメたスタイルになる件に注目。アンタ、そんなにカッコ良かったの?ほとんど王子様状態の視線が注がれる。

 ヒロインを演じるブリット・マーリングは綺麗だ。けれど、どうも敬遠したくなる人だ。彼女が担当した脚本は宗教の匂いがちらつくのと同様に、彼女自身からも同じような匂いを感じる。眺めていると過剰に不安感を煽る。役どころはかなり限定されてくるのではないか。





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