BEST10 & WORST10 2013 Vol.2

2013年 WORST10



1. アンナ・カレーニナ “Anna Karenina”
 監督:ジョー・ライト
 出演:キーラ・ナイトレイ、ジュード・ロウ、アーロン・ジョンソン

 画面に舞台的演出を持ち込むことで、物語ではなく、登場人物ではなく、魅せ方そのものが主役になってしまうという異常事態。呼吸を忘れた御馴染みのストーリーが息苦しく悶えているのに、ライトはそれに無視を決め込む。アンナ・カレーニナがこんなにも愚かで、思慮が足りず、身勝手なだけに見えることは、かつてなかった。舞踏会場面の優雅さが虚しい。



2. セレステ∞ジェシー “Celeste & Jesse Forever”
 監督:リー・トランド・クリーガー
 出演:ラシダ・ジョーンズ、アンディ・サムバーグ

 本音と共感が決して結びつかないのは、女が自分を「イイオンナ」だと思い込んでいるのを作り手が支持しているからだ。打算的であることを賢いことだと勘違いしている面倒臭い女、それが正体だというのに…。それに気づかない男は、ある意味彼女に相応しい。相互依存を高らかに崇めるふたりの姿が生み出すのは、画面の停滞のみ。あるべき爽快感と苦味はどこへ…。



3. スマイル、アゲイン “Playing for Keeps”
 監督:ガブリエレ・ムッチーノ
 出演:ジェラルド・バトラー、ジェシカ・ビール、ユマ・サーマン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ

 人生の次のステージへ進もうと必死にもがく男の物語と見せかけて、どっこい実は、流されて生きていれば幸運はやってくる…という人生を舐めたメッセージを大声で叫び続けるのみ。甘やかされた男とその彼に色目を使うことを恥じない女たち。全ては男の都合通りに進む。子どもはそんな父を見て何を思う。幼い命の観察眼をバカにするのも大概にした方が良い。



4. キャビン “The Cabin in the Woods”
 監督:ドリュー・ゴダード
 出演:クリス・ヘムズワース、クリステン・コノリー、アンナ・ハッチソン、フラン・クランツ

 もはやオマージュとは呼べない定番シチュエーションを激しく揺さぶることで喜ぶのは良いが、結局何でもありのフィールドでバカ騒ぎするだけの展開。物語が表情を変えるところに、前と後ろを接着する技がどこにもなく、散りばめられる笑いは脈略なく滑稽にしか感じられないもの。珍味というものは、確信犯的に狙ったものは、腐臭しか発しないものだ。



5. アフター・アース “After Earth”
 監督:M・ナイト・シャマラン
 出演:ジェイデン・スミス、ウィル・スミス、ソフィー・オコネドー

 環境破壊が進み人間を攻撃し始めた地球が生温い。特徴のない動物との格闘に捧げられる、草木が鬱蒼と生い茂る中での冒険に浮上するのは、イライラを誘うことしかしない少年の生意気さと彼が好きで堪らない男の親バカぶり。ハリウッドを代表する父と息子がその仲良しこよしぶりをアピールする映画に何の意味がある?親バカは度が過ぎると迷惑行為になる。



6. グランド・イリュージョン “Now You See Me”
 監督:ルイ・レテリエ
 出演:ジェシー・アイゼンバーグ、マーク・ラファロ、ウッディ・ハレルソン、メラニー・ロラン

 金さえかければ今の時代、、現実とは思えない画を展開させることは容易だ。つまりイリュージョンには厳しい時代。度肝を抜く画を見せたとしても、観客が「嘘」だと見抜いてしまう。イリュージョンという言葉が掲げられればなおさらだ。描かれる夢の世界は偽りを偽りとして見せるばかりで、そこに映画の芸は見られない。愚かなミスディレクションに懸命になるあまりにハマった罠。



7. ゴースト・エージェント R.I.P.D. “R.I.P.D.”
 監督:ロベルト・シュヴェンケ
 出演:ジェフ・ブリッジス、ライアン・レイノルズ、ケヴィン・ベーコン、メアリー=ルイーズ・パーカー

 ヒット映画からアイデアを拝借するのは、別に悪いことではない。それを咀嚼し、また新しい味を添えて出すことができるのならば…。ところがこの映画、「メン・イン・ブラック」や「ゴースト ニューヨークの幻」そのままの設定やストーリーを用意し、あたかもオリジナリティあるように振る舞う。アイデア拝借を隠さないのを潔いと見るべきか否か。考えるまでもない。



8. ダイアナ “Diana”
 監督:オリヴァー・ヒルシュビーゲル
 出演:ナオミ・ワッツ、ナヴィーン・アンドリュース、ダグラス・ホッジ

 世間の目を気にするあまり、ダイアナ妃を心優しき天使としてでしか見られない狭い視野。実はマスコミを巧妙に利用するしたたかな側面も持ち合わせていることを匂わせながら、結局同情的な立ち位置が揺るがない。ダイアナ妃は美しい人だった。心優しき人だった。ささやかな恋もした。あぁ、でも運命は彼女に味方をしなかった。その悲劇性を過剰に飾り立てる。もちろん陳腐だ。



9. モネ・ゲーム “Gambit”
 監督:マイケル・ホフマン
 出演:コリン・ファース、キャメロン・ディアス、アラン・リックマン

 思惑が外れてポカーンと口を開けることしかできない鑑定士を笑う、そのギャグだけで押し切ろうとする強引さ。想像力の欠片もないコーエン兄弟(!)の脚本から膨れ上がるのは、本来なら悪夢であるべきなのに、甘ったるい夢でしかないのが致命的。「勇敢で、愚か」と紹介される主人公の脚が、最初から最後までもたつきっぱなし。コメディはリズムが命。これではリズムを作りようがない。



10. 最愛の大地 “In the Land of Blood and Honey”
 監督:アンジェリーナ・ジョリー
 出演:ザーナ・マリアノヴィッチ、ゴラン・コスティッチ

 1990年代初頭に始まったボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争にしか興味のないジョリーが、その詳細を冷静かつ残虐に描く。チープなメロドラマを奏でる男女はそれを説明するために息をしているのに過ぎない。当然のように目立つ不自然な言動。感情とは切り離された言葉。語るのに都合の良い展開。正しいメッセージを掲げるため、私が動かなくてどうするのか。立派でも、つまらない。



その他WORST10選考作品
『フリーランサー NY捜査線』『ゴーストライダー2』『ダイ・ハードラスト・デイズ』『クラウド アトラス』『ヒッチコック』『ダーク・タイド』『終戦のエンペラー』『ローン・レンジャー』『ムービー43』『レッド・ドーン』『悪の法則』『マラヴィータ』『47RONIN』『パラノイド・シンドローム』





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