ブラインド・フィアー

ブラインド・フィアー “Penthouse North”

監督:ジョセフ・ルーベン

出演:ミシェル・モナハン、マイケル・キートン、
   バリー・スローン、アンドリュー・W・ウォーカー、
   ティーオ・ホルン、トレヴァー・ヘイズ、フィリップ・ジャレット

評価:★★★




 ミシェル・モナハンは戦場カメラマンとして登場する。兵士の作戦に同行中のアフガニスタンで銃撃戦に遭遇。身を隠した廃墟で赤ん坊の人形に埋められた爆弾により失明する。…というわけで『ブラインド・フィアー』は、何度も使われてきた形容になるけれど、新たなる「暗くなるまで待って」(67年)だ。

 舞台は三年後のニューヨーク、高級マンションの最上階だ。投資家の恋人とヒロインが暮らすその部屋は広い。その割りに家具・インテリアは最小限に抑えられている。殺風景と言って良いほどだ。しかし、それゆえ置かれている物が目に入りやすい。大きな窓。白いカーテン。ピアノ。大きくプリントされた写真。絵画。ツリー。黒猫。機能性重視のソファーやキッチン。絶景を眺められるベランダ。ヒロインが身につけるダイヤモンドのネックレスの輝きも余計に映える。これらがサスペンス作りにどう影響するのだろう。

 盲目の人を主人公に置いたサスペンスを充実に導くのは、実は見た目ほど簡単ではない。ヒロインは失明しているがゆえに行動範囲が限られる。それに頼ればスリルを生み出すことは容易いものの、見せ方の工夫を怠れば使い古しにも安っぽくも見える。ここでもせっかく目に焼きつく家具の数々が、自信満々に使い捨てされる。ヒロインにとっての障害物としての用しかなさい。

 突然の悪しき訪問者により命の危険に直面するヒロインは、一旦外に逃げ出すのに全然助けを得られない。お約束の映画的展開以上に物足りないのは、心理的駆け引きが微笑ましいだけに終わるからだろう。ヒロインは部屋中を逃げるばかりで反抗は数えるほど。敵の心理状態を揺さぶるシークエンスもひとつ見られるのみ。

 …となると後に残るのは、凄惨な暴力ということになる。ヒロインの恋人の殺害シーンを見せない件は良いのに、それじゃ不満足とばかりにヒロインは過激な暴力に晒される。ナイフや銃を使った暴力はもちろん、所謂「拷問」的な画が登場。動物も雑な扱いを受ける。その一方、時折アフガニスタンでの経験がフラッシュバックで蘇る演出は、なんだか過酷な戦場下が茶化されているような印象だ。

 そもそもモナハンは虐げられる魅力に乏しい。攻撃する側のサディスティックな要素を刺激するような、天然的な煽情性が感じられないため、恐怖に恐れ戦く顔が大画面に映えない。多少老けて、苦手なローサ・サン・ジャコモみたいに見えるときがあるのもどうか。80年代のキム・ベイシンガー的な煽情性は望めないにしても、「被害者」として魅力的に映る女優を配役して欲しかったところだ。





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