大脱出

大脱出 “Escape Plan”

監督:ミカエル・ハフストローム

出演:シルヴェスター・スタローン、アーノルド・シュワルツェネッガー、
   ジム・カヴィーゼル、カーティス・ジャクソン、ヴィニー・ジョーンズ、
   ヴィンセント・ドノフリオ、エイミー・ライアン、ファラン・タヒール、
   サム・ニール、マット・ジェラルド、ケイトリオーナ・バルフ

評価:★★




 脱獄映画にハズレなしとよく言う。鉄壁のセキュリティ。サディスティックな所長や看守。凶暴な囚人。設定の段階である程度のサスペンスが約束される。古今東西、いくつもの脱獄映画が作られるのも当然か。ただ、しばらくは製作に慎重になった方が良い。「プリズン・ブレイク」(05~09年)の成功が記憶に新しいからだ。

 「プリズン・ブレイク」はTVシリーズだ。刑務所に入れられてから脱獄するまで、主人公がゴールに近づいていくところを、一歩ずつ一話ずつ大変丁寧に描き出していく。アッと驚く裏切りや難関突破のアイデアが、丹念に積み重ねられる。それと同じような道筋を2時間の映画でやろうとすると、よほど上手く見せないと大味になる。

 『大脱出』はその罠にまんまとハマる。「プリズン・ブレイク」のダイジェストでも見せられているかのような、ピンポイント描写に終始する。そればかりか、そもそもの設定が「プリズン・ブレイク」と丸被りで、最初からその映画版でも作りたかったみたいだ。勝負するなら、ゆったりとしたTVシリーズでは出難いスピード感だろうに、そちらもちんたらが目立つ。締まりがない。アイデアも普通だ。

 作り手はひょっとして、脱獄映画とは見ていないのか。この映画の最大の売りは脱獄描写ではなく、シルヴェスター・スタローンとアーノルド・シュワルツェネッガー、80年代アクションスターの競演なのだ。特にふたりに興味のない者には、何で今更…と思うしかないのだけれど、まあ確かに、ふたりセットで出てくると、お得感はあるかもしれない。ファイトシーンもちゃんと用意されている。お飾り程度のそれだけれど…。

 ただしこの競演、シュワルツェネッガーにとってはどうなんだろう。と言うのもシュワが、スタローンの完全なる引き立て役なっているのだ。スタローンはどういうわけだか頭脳派の役柄で、彼の計画にシュワがほいきたソレソレと従う構図が出来上がっている。シュワが意外な行動でスタローンを翻弄する場面すら見当たらないのだ。シュワファンにはストレスが溜まるのではないか。

 それにしても最後の脱出場面は狡い。今回の刑務所は立地がポイントになっていて、どうやってそこから抜け出すのかが大きな見所のはず。それがご都合主義全開の甘えたものでしかないからだ。乱暴に言うなら、他のところはいい加減でも、そこだけは充実したものを見せてくれないと、嘘だろう。室内劇という大凡不釣り合いな場所でせせこましく動いていたスタローンやシュワルツェネッガーが不憫に思える。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ