ハンガー・ゲーム2

ハンガー・ゲーム2 “The Hunger Games: Catching Fire”

監督:フランシス・ローレンス

出演:ジェニファー・ローレンス、ジョシュ・ハッチャーソン、
   リアム・ヘムズワース、ウッディ・ハレルソン、エリザベス・バンクス、
   レニー・クラヴィッツ、フィリップ・シーモア・ホフマン、
   ジェフリー・ライト、スタンリー・トゥッチ、ドナルド・サザーランド、
   ウィロウ・シールズ、サム・クラフリン、リン・コーエン、
   ジェナ・マローン、マンダ・プラマー、メタ・ゴールディング、
   ブルーノ・ガン、アラン・リッチソン、ステファニー・リー・シュルント

評価:★★★




 ジェニファー・ローレンスがますます勢いを増している。恋する女の弱さと精神力の強さのバランスが絶妙の按排で同居した肉体。今のローレンスにアンパンマンの面影はない。右にまとめた三つ編みスタイルを筆頭に、クレオパトラ風の化粧も、アマゾネスを思わせる女戦士のコスプレも、火星の花嫁風ドレスも、全てものにする。ギャグスレスレの漫画的設定に現実味が生まれているのは、間違いなくローレンスの功績だ。そうそう、糸を引くキスシーンなんてのも、よくやったじゃないか。

 大抵の続編映画は一作目と同じことを繰り返す。続編が作られるくらいだから、大ヒットして金はある。大金はスケールの拡大に費やされ、しかしそれが大味さを生むことに気づかない。舞台を広くし、敵はより残忍になり、ヴィジュアルは派手さを極める。さあ、豪華絢爛な新舞台、篤と楽しむが良い。

 『ハンガー・ゲーム2』はそういう愚かな罠にハマらない。一作目(12年)からの余韻が続いていて、ある意味ヒロイン、カットニスの壮大なる旅を描く物語になっている。一作目がリアリティ・ショーが幅を利かせるセレブリティ・カルチャーを強烈に皮肉った作りになっていたのに対し(アクションの装飾もそれを意識していた)、今回は殺伐とした設定はそのままに、そこかしこに希望がちらつく、革命前夜を描き出す。

 カットニスが革命のシンボルであることは言うまでもない。殺されたくなければ殺すしかない…というそれこそ何の救いもない世界に光が射す。カットニス本人は自分が光源とは気づいていないものの、周りはそれを知らず知らずのうちに意識する。そう、周りが変わる。もちろん初めは小さな変化だ。けれど、それが少しずつ積み重なり、次第に実体を帯びてくる。

 第75回ハンガー・ゲームには歴代優勝者が集められる。政府の目的はカットニスの自然の抹殺だ。これまで政府はプレイヤーたちを手の平の上で操ってきた。今回も同じ方法でイケると踏んだのが間違いの元。小さな希望が黄金の鳥へと変態し、そこから次々飛び立っていく。意外なほど感動や快感、もっと簡単に言うならカタルシスが強く感じられるのは、その羽ばたきが見えるからだ。何かが起こる。それがまだ見ぬ未来へと繋がっていく。

 もちろんゲーム場面は手に汗握る。殺し合いより、政府が仕掛ける死のトラップとの戦いのイメージが強い。感電壁や毒入りの霧の噴射。水攻めに獰猛なヒヒの襲来。律儀に法則が守られるのに苦笑しつつ、畳み掛けられるその残忍な罠にグッと見入る。狡猾さが際立てば際立つほど、それを突っ切る高揚感が盛り上がる。「仲間」の存在が効いてくる。

 話は再びローレンスに戻る。ローレンスはどうやら、共演者を立派に見せる術も体得しているらしい。ローレンスとは不釣り合いに感じられたジョシュ・ハッチャーソンやリアム・ヘムズワースが一端の俳優に見えてくるし、初登場のサム・クラフリンやジェナ・マローンも生き生きしている。当然フィリップ・シーモア・ホフマンやジェフリー・ライトら性格俳優と並んでも浮き上がらない。本当に器の大きな女優だ。我々は今、数十年に一人の逸材が本物のスターへと駆け上がっていく瞬間を目撃しているのだ。





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