プレーンズ

プレーンズ “Planes”

監督:クレイ・ホール

声の出演:デイン・クック、ステイシー・キーチ、ブラッド・ギャレット、
   テリー・ハッチャー、ヴァル・キルマー、ジュリア・ルイス=ドレイファス、
   ジョン・クリース、セドリック・ジ・エンターテイナー

評価:★★




 『プレーンズ』はピクサー製作の「カーズ」(06年)からのスピンオフ・アニメーションだ。ただし、ピクサーは今回、製作にタッチしていない。乗り物が擬人化された社会という世界観を借りて、ディズニーが飛行機を主人公にした映画だ。けれど、本当に借りたのは世界観だけなのだろうか。

 …と言うのも、キャラクターの配置が「カーズ」に大変良く似ているのだ。主人公のダスティは飛行機と言っても、ジェット機ではなく農薬散布機。その彼が世界一周レースに挑む物語に絡むのは、気のいい友人である燃料車、面倒見の良いフォークリフト、戦争で活躍した戦闘機。レース中は各国代表が顔を見せて、少しずつダスティと掛け合いを見せる。

 ピクサーだとここに想像性と創造性を振り掛けることで捻りを効かせるのだけれど、ディズニーはあくまで直球で勝負。夢を諦めない。決められたレールを辿ることに満足せず上を目指す。善意が人を結びつける。気恥ずかしくなるほど健全性を前面に押し出した、長きに渡って培われたディズニー精神の波状攻撃。安心して子どもに見せられるものの、大人にはどうしたって物足りない。

 しかし、それよりも大きな弱点はダスティの弱みである高所恐怖症がさほど活かされない点だ。飛行機でありながら高いところが苦手だというダスティは、300メートルより上に行くことができない。高所の方が風が吹いているため、ダスティな不利というワケだ。ただ、それでも300メートルは大丈夫なのだ。ハイスピードで移動するのだ。向かい風の場合はむしろ有利なのだ。300メートルという数字だけで高所恐怖症を説明、物語を組み立てるのは、あまりにも芸がない。クライマックスでそれを克服する件も、突破法やタメが食い足りない。

 ライヴァルたちの描き分けももっと楽しいものにできるはず。世界各国から飛行機が集まってくる。飛行にそれぞれの国の特徴が表れないのが勿体無い。我が日本からは二機の参戦を確認。「SAKURA」と「TSUBASA」だ。この内SAKURAはある機体と共に、大々的に取り上げられる。けれど名前が日本的なだけで、中身に日本の色はない。

 見せ場となる飛行シーンは綺麗だ。ただ、「ヒックとドラゴン」(10年)のような高揚感には乏しい。これは多分、スピードを重視した飛び方になっているせいなのだろう。優雅に羽根を広げて舞い上がる「飛翔」という言葉がぴったりくるような飛び方ではない。せっかく空を飛ぶのだ。下に広がる景観をたっぷり楽しませるような余裕が欲しかった。





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