ウォーキング with ダイナソー

ウォーキング with ダイナソー “Walking with Dinosaurs”

監督:ニール・ナイチンゲール、バリー・クック

声の出演:ジャスティン・ロング、スカイラー・ストーン、ジョン・レグイザモ、
   チャーリー・ロウ、カール・アーバン、アンゴウリー・ライス、
   ティヤ・シルカ、クレイ・サヴェージ

評価:★★




 動物や自然を取り上げたドキュメンタリーで世界的人気を集めるBBCが製作しているだけあり、映像が綺麗だ。おそらく視覚効果が補助的に使われているところもあるのだろうけれど、7,000万年前のアラスカという設定の背景が美しい。どこまでが実写で、どこに視覚効果が使われているのか、まるで分からない。人間が介入していない雄大な風景。大昔への時空を超えた旅行。気を抜けば、それに飲み込まれそうな迫力。ただし、オーロラや星空の画はやり過ぎだ。

 『ウォーキング with ダイナソー』はそこにアニメーションの恐竜を放り込む。自然の中にあっても浮き上がらないために、デザインが写実的なものになるのは当然のことだろう。主人公であるパキリノサウルスのパッチこそ、漫画的な表情がつけられているものの、過剰ではない。力が入れられるのは、我々が想像する恐竜の肌の質感であり、色合いであり、動きの自然さだ。及第点だ。

 凄味のある映像を得意とするBBCはしかし、どうやら物語を想像するのは苦手らしい。群れから逸れたパッチの冒険の単純さに驚く。展開で驚かせようという気はさらさらなく、小学生にも分かるシンプルな話をじっくり描く。…とどうやらこの映画、元々はTVドキュメンタリーを長編映画へ置き換えたものらしい。なるほど誰にでも分かりやすく…というのが念頭にあったのかもしれない。しかし、それにしても…。

 単純な物語が導くのは、親の愛情であり、愛する異性との出会いであり、兄弟との確執であり、リーダーの素質であり、生きる過酷さであり、残酷な生態系だ。あぁ、どうやら子どもをターゲットにした話は万国共通テーマになるらしい。日本の少年漫画のそれだと説明されても不思議には思わないだろう。大人は寛容な心を持って挑む必要がある。

 ところが、寛容にも限度というものがあり、この映画で言えば、あまりにも煩いセリフの洪水には辟易する。お喋りな鳥が状況や心情の逐一を説明する上、パッチも最初から最後まで喋り通しなのだ。目を瞑っていても、セリフさえ聞いていれば、ストーリーに迷うことは一切ない。余白がないと言い換えることもできる。おそらく無声映画にした方が楽しめる。騒音がなくなることで映像に集中できる。

 野心的な作家ならば、草食恐竜ではなく肉食恐竜を主人公に置いたのではないか。大人になると、草食恐竜が心優しくて、肉食恐竜が獰猛・残酷というのが固定観念に過ぎないと分かるものだ。生きるためには狩りに励まねばならない肉食恐竜の思いを描いた映画は、そういえば見たことがない。

 それにしてもパキリノサウルスとは地味なところを突いた。このタイプならトリケラトプスの方が有名なのではないか。他に出てくる恐竜もアンキロサウルスが知られているくらいではないか。ひょっとして時代や棲息地の関係で、この選出になったのか。もし自分が選べるならば、ティラノサウルス、プテラノドン、ブロントサウルス、イグアノドン、パラサウロロフス、ステゴサウルスあたりは絶対に押さえておきたい。いや、ベタ過ぎるか。





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