ブリングリング

ブリングリング “The Bling Ring”

監督:ソフィア・コッポラ

出演:ケイティ・チャン、エマ・ワトソン、タイッサ・ファーミガ、
   イズラエル・ブルサード、クレア・ジュリアン、
   ギャヴィン・ロズデイル、ジョージア・ロック、レスリー・マン、
   パリス・ヒルトン、キルスティン・ダンスト

評価:★★




 少し前にハリウッド・セレブリティの豪邸ばかりを狙った窃盗団事件が話題になった。犯人が十代・高校生という事実にギョッとしたものだ。『ブリングリング』はこの事件を基にしている。彼らは一体全体、どんな手を使って泥棒をやってのけたのだろうか。

 そうしたら、実に単純極まりない手口に拍子抜けする。セキュリティがどうしようもなく緩かったため、彼らは知恵も体力も使う必要がなかったのだ。門は簡単に飛び越えられる高さだわ、窓に鍵がかかっていないわ、或いは玄関マットの下に鍵が置いてあるわ…。そりゃ泥棒のお得意さんになるだろうという、ケーキよりも甘いセキュリティ。本来同情されるべきセレブが本気でバカに見える。オーランド・ブルーム、痛恨!

 けれど、バカ合戦では窃盗団も負けてはいない。素手で物に触りまくり指紋をベタベタ残すわ、DNAたっぷりの髪の毛や皮膚を落とすことに抵抗がないわ、防犯カメラの位置を気にしないわ、真昼間から「仕事」するわ、車を乗り回して遊ぶわ、SNSで顔出しするわ、窃盗物をフリーマーケットに出すわ、自慢として窃盗を吹聴するわ…。これはひょっとしてセレブと窃盗団のバカ較べ映画なのか?

 …もちろん(少なくとも製作意図としては)そんなことはない。ソフィア・コッポラは現代ならではのテーマとして、セレブ・カルチャーの実体を暴き出す。ネット社会と密着したそれは、ツールと方法を工夫すれば誰も簡単にセレブになれることを証明する。容易く自己満足することも可能だ。視聴者も簡単にそれに食いつく。メディアすらそれを無視できない。バカバカしいったらないけれど、間違ってはいない。

 そして自らもセレブであるコッポラがその先に見つめるものは、いつもと同じ。孤独や淋しさだ。セレブという生き物は、ホンモノであれニセモノであれ、こんなに孤独なの。こんなに淋しいの。金は使い切れないほど持っている。物は溢れるほどある。交友関係も広い。だけど孤独なの。淋しいの。人生の空虚さを殊更嘆き、あぁ、どうか本当の私を分かって…と懇願する。お嬢様のワンパターンに苦笑い。

 思いがけず株を上げたのは、ひょっとしてパリス・ヒルトンではないか。窃盗団が何度も侵入するヒルトン邸は、実際のヒルトン邸らしい。普通の感性だと、どう考えても拒否するものだと思うけれど、カメオで出てくるあたり、自ら進んで貸し出したというのが真実だろう。ヒルトンは自分を取り繕わない(取り繕えないともいう)。ソファには自分がプリントされたクッション。壁には自分が表紙を飾った雑誌の写真。ドレス部屋にはブランド品がずらりと並び、そのまま店として成立しそう。クラブルームまで存在する。これを隠すどころか、自慢気にアピールするヒルトン。ピュアなのか、ホンマモンのバカなのか。答えはやっぱり…。





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