フローズン

フローズン “Frozen”

監督:アダム・グリーン

出演:ケヴィン・ゼガース、ショーン・アシュモア、エマ・ベル、
   エド・アッカーマン、ケイン・ホッダー、ライリア・ヴァンダービルト

評価:★★




 スキー場のリフトに乗ったまま取り残されてしまったらどうすればいいだろう。ストーリーの軸となるこの基本設定ひとつで、90分弱を乗り切ろうとしたのが『フローズン』。所謂ワンシチュエーションムービーというヤツで、発想の根底に敷かれているのはゲーム的要素。死が絡んでいて、現実性を丸っきりは無視していないので、見え難くなっているけれど。

 メインの登場人物3人はそれほど魅力的ではない。幼い頃からの親友であるふたりの男と、その内の片方の恋人であるひとりの女。男たちは毎年スキー場に来るのが恒例。「女よ、男同士の遊びについて来るんじゃないよ」としか言いようのないヘンな組み合わせ。3人のパワーバランスを揺さぶる精神的駆け引きでも起こるのかと思ったら、繰り返されるのは中学生のような罵り合いと退屈な身の上話の告白ばかり。でもまあ、こういう状況に置かれたら、他にやることもないし、似たようなことになる可能性は高いだろう。演じる若手スターも別に演技力を求められての人選ではないはずだ。本当を言うと、そこを工夫するのが映画というものだと思うものの、それを望んでも仕方がない。

 そんなわけで見せ場は恐怖演出になるはずなのだけど、力点が置かれているのは「恐怖」ではなく「グロテスクな映像」であり、そこに伴う「強烈な痛み」だ。目を背けたくなる描写ではあっても、心理的な恐怖を刺激する描写ではない。これはもう明らかに「ソウ」(04年)「ホステル」(05年)の影響だろう。凍傷で皮膚が剥がれる描写は当たり前、リフトから飛び降りたり、ワイヤーを伝って脱出しようとしたり、狼に襲われたり…といった結果で生じるものが嬉々として演出される。氷柱絡みの話が出てこないのが不思議なくらい。好みの問題もあるとは言え、趣味が良くない。

 そういう方向にばかり目を向けている映画に言うのもナンセンスだと承知しつつ、せめて最後はアッと驚く脱出方法を見せて欲しかった。若者たちがやることの数々は誰でも考えつくようなレヴェルのものばかりで、最後の展開などは、ほとんど偶然に頼っているのが物足りない。ヘンなところで現実性を大切にしようとするからこうなる。取り残されてからはカメラの動きが制限されてしまい画面が単調になるという大きな欠点には目を瞑るから、それを吹き飛ばす渾身のアイデアが欲しかった。それがBムービーというものだ。

 余談になるけれど、ケヴィン・ゼガースはザック・エフロンとやっぱり似ている。兄弟を演じたら、妙にリアルな気がする。ピッカピカのアイドルであるエフロンは、こういう映画には絶対出ないだろうけど。





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