ブランカニエベス

ブランカニエベス “Blancanieves”

監督:パブロ・ベルヘル

出演:マカレナ・ガルシア、マリベル・ヴェルドゥ、
   マリエル・ヒメネス・カチョ、アンヘラ・モリーナ、ペレ・ポンセ、
   ホセ・マリア・ポウ、インマ・クエスタ、ソフィア・オリア

評価:★★★




 『ブランカニエベス』とはスペイン語で「白雪姫」を意味するという。少し前にハリウッドが「スノーホワイト」(12年)「白雪姫と鏡の女王」(12年)と白雪姫映画を競作したけれど、こっそりスペインもグリム童話「白雪姫」をモチーフにした映画を撮っていたというわけだ。誰もが知る童話を映画化する際、最も重要なのは解釈法だ。ウィリアム・シェイクスピア劇を自由な発想でアレンジするように、大胆なそれが求められる。

 赤いカーテンが開くと共に始まるこの映画、その点で、ハリウッド二作の軽く上を行く。何しろ白雪姫の父親は闘牛士であり、白雪姫自身も知らず知らずの内に父の跡を継ぐという前代未聞の展開を見せる。しかも「アーティスト」(11年)のようにモノクロ・サイレント映画(風)。小人や王子様、継母ら御馴染みの登場人物の立ち位置も大きく捻られる。アイデアがびしばしキマッていく快感があるのだ。

 画面が美しい。黒と白の濃淡が目に優しく、光が丁寧に切り取られる。赤ん坊から少女時代を経て、美しい成人女性になるまでを見せる白雪姫が、その世界の中でキラキラ輝く。けれど、この色合いの恩恵を最も受けたのは、白雪姫の天敵である継母なのではないか。

 画面に現れる度に邪悪な空気を撒き散らす継母を演じるのはマリベル・ヴェルドゥ。身も蓋もない言い方をするならば、ヴェルドゥは骸骨顔だ。この顔がモノクロと大変相性が良い。薄い皮膚。切れ長の目。黒く塗りたくったアイライン。びっしり揃った睫毛。裂けた口。たくさんの小じわ。メイクにより何故だかフィフィそっくりに化けたヴェルドゥが、怖ろしくも可笑しい。初登場場面では看護師として出てくる。なんだかこれから人体実験でも始めるような雰囲気。突如怪奇映画の匂いが立ち込める。作り手もシラッと遊んでいる。

 闘牛場面が格好良い。常に音楽が鳴り響いているのだけれど、闘牛場面になるとスコアが、ギターと手拍子をメインに置いたものに変わる。大きな闘牛場でマタドールが獰猛な牛と対決する様にロマンが溢れる。

 待てども待てども王子様は出てこない。毒リンゴはどこに行ったのだ。このあたりは大きな勝負どころで、クライマックスになってようやくどう解釈したかが提示される。逸脱が過ぎると見る向きもあるだろうけれど、むしろ歓迎したい。眠った状態に入った白雪姫が見世物小屋で寝かせられる件など、なかなか皮肉が利いている。未来を想像させる幕切れにもなかなかの味わいがある。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ