47RONIN

47RONIN “47 Ronin”

監督:カール・リンシュ

出演:キアヌ・リーヴス、真田広之、浅野忠信、
   柴咲コウ、菊地凛子、赤西仁、田中泯

評価:★★




 ただの一言も日本語が出てこないわ、ごひいきキアヌ・リーヴスの所作が最初から最後までぎこちないわ、柴咲コウの着物が龍宮城のお姫様みたいだわ、化粧はどこかのバーのママ風だわ、将軍様が相撲の行事を思わせるわ、天狗が毛虫のバケモノみたいだわ、森の中がジブリ的メルヘンだわ、旅の過程が「ロード・オブ・ザ・リング」(01年)みたいだわ、時々雰囲気が中国になるわ、赤西仁が最初から最後まで緊張しっぱなしだわ…。

 …とまあ、予想通り『47RONIN』がスゴイことになっている。「忠臣蔵」をハリウッドが映画化すると聞いた瞬間から決して拭い去ることできなかった嫌な予感が当たったわけだけれど、でもまあ、覚悟はしていたし腹も立たない。むしろここまでやるだなんて、その思い切りの良さが良いじゃないか。笑いながら突っ込むのが正しい。これは「忠臣蔵」が原作なのではなく、原案なのだ。どこかの胡散臭い舞台演出家みたいだけど。

 ハリウッド版「忠臣蔵」のいちばんのポイントは、カイという謎の外国人が登場することだ。日本人から鬼子として蔑まれる役柄を、なんとリーヴスが演じる。彼のポジジョンはしかし、よくよく目を凝らすと主役ではない。リーヴスはプロ野球における、外国人助っ人みたいな存在だ。規格外のパワーを持ち(その割りに有効活用されないけど)、忠誠を誓った主人のために命を投げ出す。大石内蔵助が「俺たちだけじゃ勝てない」とスカウトした、それがリーヴスなのだ。リーヴスは出番が思ったほど多くない。セリフも少ない。けれど、そのおかげで演技の拙さは目立たずに済んだ。良かったじゃないの。

 そんなわけで結局、物語を引っ張るのは大石だ。真田広之演じる大石は名誉と忠義を重んじる日本的価値観を象徴する人物で、すなわち映画の魂と言うべき存在だ。真田も大いに張り切っている。しかし、その頑張りが「生真面目」として表れるのは、疲れる。常に眉間にシワを寄せ、深刻顔で敵討ちを練る。もっと力を抜けよと声をかけたくなる。せっかくリーヴスが遊びに来ているのだし。

 とは言えやっぱり、真田の殺陣は見応えがある。美しい。カッコイイ。決して最良のカメラワークや照明ではない。それにも関わらず、殺陣の美しさを殺せない。リーヴスの殺陣も西洋風味が加味されながらも、なかなか健闘した方ではないか。真田先生に教えて貰ったのか。じゃあ鬼子の尋常ではない能力って何だよって気もするけど。

 リーヴスや真田よりも強い印象を残すのは菊地凛子だ。浅野忠信演じる吉良上野介に仕える妖術使いの女。おとなしい柴咲を笑い飛ばすかのように大胆不敵と言うかやりたい放題と言うか。結果この女、とても下品な人物になった。胸元をはだけて着物を着るわ、足を広げて飯を食らうわ、ケバケバしい化粧で度肝を抜くわ…。妖術使いだから視覚効果もほとんどが菊地絡みだ。はっきり言って、殺陣よりも力が入れられている。それにも関わらず、チープを極める。ハリウッド版「忠臣蔵」の答えだ。





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