ザ・コール 緊急通報指令室

ザ・コール 緊急通報指令室 “The Call”

監督:ブラッド・アンダーソン

出演:ハル・ベリー、アビゲイル・ブレスリン、モーリス・チェスナット、
   マイケル・エクランド、マイケル・インペリオリ、デヴィッド・オトゥンガ、
   ジャスティナ・マシャド、ホセ・ズニーガ、ロマ・マフィア

評価:★★★




 B級アクションの傑作「セルラー」(04年)を思い出す。誘拐の被害者と何とか救おうとする側が、ケータイの電波だけで繋がり、サスペンスを畳み掛けていくところ、とても似ている。ガラケーからスマートフォンにヴァージョンアップしたものの、『ザ・コール 緊急通報指令室』も電波の力を借りて結びつくふたつの魂が主人公。ふたりが繋がった瞬間から、緊迫感は一気に沸点に到達する。

 「セルラー」の救う側は素人のチャラ男だったけれど、こちらは本格派。「911」をプッシュした先に待機している通報センター、通称「蜂の巣」のオペレーターこそが、サスペンスのファイターだ。中にリスでも飼っていそうなチリチリ爆発ヘアでもオシャレに見える(?)ハル・ベリーが、半年前のミスは繰り返さないと、果敢に業務に当たる。

 通報を受けるオペレーターはタフな仕事だ。瞬時の判断力が要る。決断力も要る。度胸がなければ、事態の悪化を招くだけだろう。ベリーは被害者のアビゲイル・ブレスリンから情報を引き出しながら、それを整理。状況打破のきっかけになるものはないか、必死に探る。…とひょっとすると、最も必要なスキルは話術かもしれない。

 そういうオペレーターの「技」をサスペンスにたっぷり盛り込みながら、緊張の糸を弛ませることがないのがミソ。トランクに詰め込まれたブレスリンにできることは限られる。そこから名案を捻り出すのがオペレーターであり、創造主である作り手だ。「感情移入してはいけない。約束は禁じられる」という鉄則を守れないところが、捜査にどう影響するか。微妙なくすぐりになっている。精神的に万全ではないベリーのスキルは、捨て身の誘拐犯を捕らえることができるだろうか。

 編集が巧みだ。誘拐犯と被害者のいる犯罪現場。通報センター。捜査に当たる警察。三地点がスピーディに繋がっている。少しでももたもたすれば、アッという間に転倒するところだ。犯人をやけっぱち状態に置くことで行動を大胆にさせるのも、この映画に限れば、あり、だろう。大抵の事件は計画性よりも瞬間の暴走が被害を悪化させる。犯人は無謀にも真昼間、人気のあるところで鬼畜と化す。短期決戦ならではの事件の旨味が滲む。

 ただ、後半は明らかにアイデアの水が枯渇する。電波が途切れ、ベリーは足を使ってブレスリンの捜索を始める。大変立派な行動だけれど、オペレーターである彼女の技は封印される。隠れ家の発見はどう考えてもご都合主義だし、犯人の変態性ももはや見飽きたものだ。大オチは悪乗りに見えなくもない。電波が繋がっている場面はほぼパーフェクトだったのに、惜しいことをした。





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