セイフ ヘイヴン

セイフ ヘイヴン “Safe Haven”

監督:ラッセ・ハルストレム

出演:ジョシュ・デュアメル、ジュリアン・ハフ、コビー・スマルダース、
   デヴィッド・ライオンズ、ノア・ロマックス、レッド・ウエスト、
   マイク・ニュースキー、ミミ・カークランド

評価:★★




 ニコラス・スパークスの小説は、今やひとつのブランドだ。テーマはいつも恋愛。愛し合う美男美女。南部の田舎暮らし。立ちはだかる障害。ムードを盛り上げるアイテム。忍び寄る死の影。話の根底にキリスト教的価値観が敷かれているのもポイントで、ハッピーエンドにしろアンハッピーエンドにしろ、いつもそうして導かれた愛が美しく讃えられる。

 『セイフ ヘイヴン』も律儀にスパークス映画の定番を守る。ラヴストーリー。ジョシュ・デュアメルとジュリアン・ハフ。サウスポート。静かな田舎。潮の香りを運ぶ海風。迫り来る追っ手。質素なコテージ。雑貨屋。地方の風習。打ち上げ花火。ギターの音色。愛らしい子ども。最後に明かされるトリッキーな仕掛けには、案の定キリスト教の匂いがぷんぷん。もちろん愛は勝つ。つまりスパークスファンには堪らない作り。

 赤面必至のいちゃこき場面が出て来るのはお約束だ。ハフがデュアメルから貰った自転車に乗って、木漏れ日の下を駆ける場面。どういうわけだか店員が消えたレストランで、薄明かりの中ダンスする場面。大自然に囲まれた沼地をカヌーで渡る場面。土砂降りの雨の森を手を繋いで走る場面。どうだ、マイッタか。

 ラッセ・ハルストレムは自分の色を消している。スパークスの世界を完成させるためには、自分を出してはいけないと判断したのだろう。そもそも最近のハルストレムは、職人監督の匂いが強い。自分を消すのは容易いことなのかもしれない。

 ただし、サスペンス作りには梃子摺る。そう、この映画はこれまでのスパークス映画に較べて、サスペンスがたっぷり盛り込まれている。サスペンスと言っても火サス風のそれなので拍子抜けするのだけれど(見え見えでもある)、困惑するのはサスペンスの挿入のタイミングだ。スパークスならではのこってこて恥ずかし場面に照れていると、次の瞬間には突然不穏な場面に切り替わる。一度や二度ではない。何度も辛気臭い男の顔が映り、その度にリズムが狂う。優雅な午後、突如選挙カーの騒音が聞こえてくるような、あの台無しの気分。

 華はないにしても、主演のふたりのカップルぶりには無理がない。ハフは指名手配写真がリンジー・ローハン風なのだけど、ブロンドのショートにしてからは昔のアリシア・シルヴァーストーン風。タンクトップの下で揺れるたわわな胸とホットパンツから伸びる真っ直ぐの脚が自慢のようだ。そんなハフにコロリとまいるのはデュアメル。普通のシングルファーザー役なので、鍛えた身体のサーヴィスは少ない。女子の皆さんはがっかりだろう。それに身体がちょっと小さくなっていないか?

 デュアメルの子どもたちはもっと大胆に動かしても良かった。母が忘れられない息子と、父の恋を応援する娘。ドラマにしてもスリラーにしても、盛り上げる燃料になったはずだ。物語の飾りで満足するのは勿体無い。





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