メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー

メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー “Metallica Through the Never”

監督:ニムロッド・アーントル

出演:デイン・デハーン、ジェームズ・ヘットフィールド、
   ラーズ・ウルリッヒ、カーク・ハメット、ロバート・トゥルージロ

評価:★★★




 ビルボードのHOT100を眺めると、確かにロック勢・メタル勢の名前が全然見当たらない。集計法の影響もあるけれど、さすがに寂しい。では、ロックやメタルが死んだのかと言うと、そうでもない。コンサートに足を伸ばせば、そこにはその魂を全身に弾けさせる者たちがまだまだ生きている。『メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー』を打ち上げたメタリカの頼もしさは、どうだ。

 結成が1981年だというメタリカは、当然のことながら今やオッサンバンドだ。ヴォーカルとギターを担当するジェームズ・ヘットフィールドは髪やヒゲに白いものが混じり、身体にはうっすら脂肪が乗っかった。ドラムのラーズ・ウルリッヒは立派にハゲちらかしている。多分全員、加齢臭もあるだろう。けれど、カッチョイイ。無茶苦茶、カッチョイイ。

 カッチョ良さというのは、外見の洗練だけから来るのではない。その魂の磨き具合によるところも大きい。それを知っているメタリカは、オッサンになっても攻撃的な演奏を諦めない。ライヴ・パフォーマンスの激しさよ。熱狂的ファンに埋め尽くされた会場と戦っているような、セックスに興じているような、ビールをかっ喰らっているような、挑発的な音をかき鳴らして、ガンガン攻める。アリーナ中央に設置されたステージの床が次々変化。十字架や像、棺桶が出現し、ヘリコプターの音が鳴り、火柱が立ち上がる。かかってこいや!ステージセットや演出も凝っている。

 3Dカメラにより撮られた映像は、ライヴの臨場感をダイナミックに捉える。音の一音一音がクリアで、嘘偽りなく会場に引きずり込まれるような感覚。立ち上がってオーディエンスと一緒に叫びたい衝動に駆られる。とりわけドラムの音がサイコーに気持ち良い。ちょっとしたトリップ。興奮の桃源郷飛行。

 注目株デイン・デハーンが出てくる。デハーンはローディーという設定で、ライヴ中にある使命を受けて、街中でトラブルに巻き込まれる…というフィクションが平行して描かれる。メタリカのライヴの方が圧倒的に楽しいし、MUSIC VIDEOを壮大にしただけという気もする。それでもデハーンの悩ましい眼差しのおかげで退屈はしない。

 群集と機動隊が激突し、黒馬に乗りハンマーを振り回すガスマスクの騎士が殺戮を繰り返す。デハーンは絶体絶命の中、遂に「覚醒」する。これが…なんだかもうひとつの「クロニクル」(12年)みたいなのだー。妖しげな人形も派手に吹き飛ぶ荒涼たる街の風景も悪くない。

 それにしても…分かってはいたことだけれど、ファンの様子が「ワン・ダイレクション/THIS IS US」(13年)に出てくるそれとは全然違う。こちらは見事に汗臭い男たちが中心で、会場を包むのは野太い声だ。うぉーっ。ぐぉーっ。猛獣かよ!響き方がちょっと可笑しい。でも混ざるなら、こっちだな。





ブログパーツ

blogram投票ボタン


スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ