クルードさんちのはじめての冒険

クルードさんちのはじめての冒険 “The Croods”

監督:クリス・サンダース、カーク・デミッコ

声の出演:ニコラス・ケイジ、エマ・ストーン、キャサリン・キーナー、
   クロリス・リーチマン、ライアン・レイノルズ、クラーク・デューク、
   ランディ・トム、クリス・サンダース

評価:★★★




 珍しや原始時代を舞台にしたフォックス製アニメーション『クルードさんちのはじめての冒険』で心踊るのは、たっぷり登場する謎の生物たちだ。歴史に正確な世界観を創り上げようなんて考えもせず、ファンタジーの世界からやってきた生き物の楽園が広がる。フクロウとクマ。キリンとゾウ。ピラニアとインコ。コヨーテとトカゲ。カメとクジャク。ネズミとゾウ。全然違う動物をミックスして新生物を誕生させる。中でもオウムとトラをミックスした生物は終幕の活躍もあり、なかなかの印象。安易な合体には違いないものの、不思議と安いイメージとは無縁。懐かしの「ジャングル黒べえ」を思い出したりして…。

 それに較べると、人間のデザインはもう少し何とかならなかったか。別に写実的な造形になってはいない。思い切ったデフォルメだ。それにも関わらず愛敬が足りない。ヒロインのイープは横に広い楕円形の輪郭の持ち主で、ディズニー・ヒロインのメリダをブサイクにした感じ。服装も原始人なりのオシャレが見たい。表情は生き生きしているのに勿体無い。ひょっとしてこれが、原始人の答えなのか。新時代の象徴である少年はモダンなデザインになっているし…。

 とは言え、彼らはなかなか興奮させるアクションを見せる。スピード感たっぷりなのがポイントだ。外の世界でちんたらしていては食われてしまう。それならばと必然的に彼らは走る。食われないために、そして食うために走る。その躍動感を殺さないよう縦横無尽、360度ぐるぐる回る「カメラワーク」が素晴らしい。オープニングの食料調達場面で見せる家族のチームワークよ。狙いの巨大卵をアメフトのボールのように扱いながら全力のパフォーマンスを見せる。

 CGアニメーションの特徴を活かした美しい画も多い。火の粉が舞う場面や空いっぱいに星が広がる場面の幻想性。色が溢れる世界の目撃場面や底が透けて見える海に入る場面の神秘性。靴や傘、エサを捕らえるための罠等道具が作られる場面の新鮮さ。そして、仄かな恋が生まれる瞬間の美しさ。「初めて」が画を輝かせる。

 そして、こうした経験が人間の知恵を生む。サヴァイヴァルのためには体力はもちろん必要だけれど、新時代に対応するためにはそれだけでは駄目だ。それを受け入れ、家族のそれぞれがバラバラになった状態で道を見つける展開や、家族の大黒柱である父親がそれを受け入れていく終幕には、予想外に感動的な匂い。とりわけ父親が「壁画」を残す件は胸をざわつかせる。「隠れるな。生きろ」のメッセージがジブリのようには押しつけがましくなく浮上する。

 とは言え、最後はアメリカ映画らしく、父の偉大さが前面に出る。「パパ大好き」の言葉で父は救われる。もはや原始時代を名乗るのは拙いのではないかという逸脱を見せながら、それでもこれで良いのだと言い切る強引さ。良くも悪くもアメリカ映画らしいファミリー・アニメーションだ。





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