サプライズ

サプライズ “You're Next”

監督:アダム・ウィンガード

出演:シャーニ・ヴィンソン、ニコラス・トゥッチ、
   ウェンディ・グレン、AJ・ボーウェン、ジョー・スワンバーグ、
   マーガレット・レイニー、エイミー・サイメッツ、タイ・ウエスト、
   バーバラ・クランプトン、ロブ・モラン

評価:★★★




 両親の結婚35周年記念で集まった家族が、手入れの行き届いていない田舎の別荘で、トラやヒツジ、キツネの動物マスクを被った三人組に襲われる。こんないたって普通の出足を見せながら、『サプライズ』はなかなかユニークな味わいを残す映画だ。

 魅力のひとつが、ホラー映画の醍醐味である殺戮劇にあることは間違いない。一人また一人と犠牲者が増えていく。参考にしたのはホラー界の大スター、ジェイソンだろうか。血がたっぷりどっぷり流れるのが特徴だ。目から耳から喉から背中から脳天から、豪快なる血の噴水。血をアクセサリーにした生存者たちも全身傷だらけ。ほとんどスプラッターのノリ。残酷さが段々可笑しくなってくるくらい。

 けれどもっと可笑しいのは、捻り方が豪快なところだろう。冬枯れの空気が満ちた空間の中、不条理な皆殺しの気配が漂っていたのが、思いがけない二転三転を見せる。ギャアギャア騒ぐバカ、単独行動に走るバカ、自分だけ助かろうとするバカは助からない。…という定石を守りながら、予想通りだったりそうじゃなかったりというツイストが次々仕掛けられる。

 脚本の段階からサーヴィス満点だったのだろう。こうしたら観客は驚くだろうという展開。振り返れば伏線もさり気なく張られている。犯人側の計画も、案外しっかりしたものだったと分かる。

 低予算丸出しの作りながら、ならば知恵で勝負とばかりに、演出にはそれなりの工夫が見られる。例えばスローモーションの使い方が上手い。命が奪われそうになる場面等、じっくり観たいと思うところでドンピシャのスローモーションが入る。死に様がカッコ良くさえ見える。それから何度も流れるドワイト・トゥイリー・バンドの「Looking for the Magic」が耳から離れない。非常に効果的な挿入がなされる。静寂場面、緊張場面でも、流れていないのに聴こえてくるような、耳の残り方。これからこの曲を聴く度に、映画を思い出すだろう。

 ある局面から物語の表情がガラリと変わる。その中心にいるのがシャーニ・ヴィンソンが演じるエリンだ。最初はアンサンブルのひとりでしかなかったのに、突如輝き始める。妙に頼もしいと思ったら、誰にも言っていない秘密を抱えている。超自然的なことは起こらないのに、エリンがホラーアイコン、キャリーに見えてくるではないか。血塗れ女の怒りの逆襲。殺戮のシンデレラ。イケイケヤレヤレ。気がつけば彼女と一体化し、話の終わりには爽快なカタルシスが待っている。





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