キャリー

キャリー “Carrie”

監督:キンバリー・ピアース

出演:クロエ・グレース・モレッツ、ジュリアン・ムーア、ジュディ・グリア、
   ポーシャ・ダブルデイ、アレックス・ラッセル、ガブリエラ・ワイルド、
   アンセル・エルゴート、サマンサ・ワインスタイン

評価:★★★




 それにしてもクロエ・グレース・モレッツの成長の早さはどういうことなんだ。思春期真っ只中のモレッツは、マジックを見せるかのように現在急激に変身中。ヒットガールのコスプレが可愛らしかったのは、ほんの少し前のことではないか。発育に従い、その外見の個性がはっきりするのは一般人も映画スターも同じ。モレッツで言うなら、上向きの鼻の穴、尖った顎、広く頑丈な肩が目立つようになった。ふっくらしたアヒル口は子役時代から変わらず。若干エラが張ってきたものの、サイドの髪の毛と尖った顎のおかげでほとんど目立たない。

 そのモレッツが超能力少女キャリー・ホワイト役に挑む。ブライアン・デ・パルマ版(76年)があまりにも有名なスティーヴン・キングの処女小説の再映画化で、ヒロインを務める。モレッツ版『キャリー』で真っ先に目につくのは、そのファッション性だ。視覚効果を派手に使いながら現代的な味付けがなされていることもあり、キャリーの容姿はもちろん、学校風景も超能力爆発場面もファッショナブルに撮られている。

 中でもモレッツのフォトジェニックな魅力は大きい。決して美少女というわけではないモレッツが、すくすく健康的に成長した低くない身体や長い手足を縮こまらせて歩いても、そこいらの輩に大差をつけてクールガール。母親に押し付けられたと思われる地味な色の貧乏服の数々もそれなりに見せる。化粧をしなくても無問題。苛められているという設定は説得力を持たず、血塗れになっても怖さよりもカッコ良さが先に来る。当然毛穴に入り込んでくるような恐怖の味は薄くなる。でも、これはこれで悪くない。

 『キャリー』と言ったらやっぱり、プロム場面だろう。天井から降ってきたブタの血に塗れたキャリーが、絶望や哀しみ、怒りといった負のエネルギーを爆発させるあの場面。これがまあ、何ともまあ、見事なカタルシス。キャリーの心模様までファッション化されているがゆえ、かえって冷静に恐怖演出を堪能できる。物が宙を舞い、人が放り投げられ、ステージには炎が立ち上がり、必死に逃げ惑う生徒や教師は成す術がない。キャリーはもはや地獄のエンジェルだ。彼女がそうなる理由が大変分かりやすいがゆえ、その暴れっぷりをむしろ、応援したくなる。

 プロム場面では恐怖の発信源であるキャリーを演じるモレッツが抜群の冴えを見せる。どこか別の世界に行ってしまったようなゾッとする目やブタの血をアクセサリーに変えてしまう現代性の面白さもさることながら、前述の広くなった肩が効いている。肩を大きくゆっくり揺らしロボット風に動きながら、狙いを定めた者をじっくり仕留めていく様が、アクション演出に映えるのだ。血塗れのまま両手を大きく広げる画も、キマッタ!

 素直にモレッツの可愛らしさを堪能できる場面もある。さり気ないメイクと美しくまとめられた髪、薄いピンクの手作りドレスで、一緒にプロムへ行く男子に迎えられる場面。プロムでスロウな曲がかかり、ゆったりとダンスする場面。いずれもはにかみ方が愛らしいし、キャリーのいじらしい心情が素晴らしい調味料になる。

 狂信的な母親を演じるのはジュリアン・ムーア。はっきりと、怖い。薄い色素、薄い皮、ノーメイク、思いつめた表情でモレッツを縛りつける感じがじわじわ来る。キャリーの超能力によりやられる場面でも、攻めているのはキャリーなのに、母親の方が断然怖い。ムーアが楽しそうに大芝居。視覚効果の力など借りずとも、ムーアは不気味にキャリーの世界を支配する。





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