ランナウェイ 逃亡者

ランナウェイ 逃亡者 “The Company You Keep”

監督・出演:ロバート・レッドフォード

出演:シャイア・ラブーフ、ジュリー・クリスティ、スーザン・サランドン、
   ニック・ノルティ、クリス・クーパー、テレンス・ハワード、
   スタンリー・トゥッチ、リチャード・ジェンキンス、アンナ・ケンドリック、
   ブレンダン・グリーソン、ブリット・マーリング、サム・エリオット、
   スティーヴン・ルート、ジャッキー・エヴァンコ

評価:★★




 最も強烈なインパクトを残すのは、ロバート・レッドフォードの若作りだ。大分前に弄った目周りは今なおぱっちり。目を見開く場面になると、他の箇所の弛みとのアンバランスにより、不自然さが隠せない。白髪はもみ上げ付近ぐらいしかなく、後は若い頃のままにふっさふさ。大半を革ジャンとタンガリーのシャツ、ジーンズで通すのは、自信の表れか。いやでも、12歳の女の子の父親役というのはあまりにも図々しいのではないか。そろそろ老いを受け入れた方が楽になれるのに。

 そう思ってしまうのは、老体に鞭打って走る場面が幾度となく挿入されるからだ。クライマックスではでこぼこの山の中でまで走る。ジョギング場面では真っ赤なジャージを着るという勝負心を忘れないレッドフォードはしかし、走り方はすっかりおじいちゃん。と言うか、女走り。手の振り方が変。そこまでして若さをアピールしなくても良いだろう。

 終始、レッドフォードの若さや美に対するこだわりがヘンテコな方向に転がっているものの、『ランナウェイ 逃亡者』はいたって真面目な映画だ。ハリウッドでも有名なリベラル派のレッドフォードは、1970年代に活動したテログループ、ウェザーマンを取り上げる。FBIからグループのメンバーに指名手配が出てから30年後、仲間のひとりが自首したことから、レッドフォード演じるグループの幹部が窮地に陥る。主人公と新聞記者(&FBI)による追いかけっこが軸にあるものの、レッドフォードがそこに力点を置いていないのは明らかだ。

 主人公は今はアメリカ各地に散らばって暮らすかつての仲間たちを訪ねる。旧友との再会でのやりとりを積み重ねてウェザーマンとは一体何だったのかを織り上げていくのがレッドフォードらしい。同じグループに属していても信念のベクトルは少しずつ違っていたことが見えてくる。銀行の守衛が殺された事件の真相を絡めるのも悪くない。

 レッドフォードは過激派の信念そのものを頭ごなしに否定はしない。けれど、70年代に彼らが起こした事件は、一体何を導いただろうか。その後のアメリカの歴史を目の当たりにしたレッドフォードに思うところが多いのは簡単に想像できる。

 ただし、レッドフォードの誠実さは、映画的空間の中で効果的には働かない。むしろ、表現の凝り固まりを生む。終幕のレッドフォードとジュリー・クリスティの掛け合いが、やけに説明的なものに終わっているところが、それを象徴する。「クイズ・ショウ」(94年)でピークを迎えた柔軟さは、老いてすっかり消滅した。クリント・イーストウッド監督だと誠実さではなく、心の闇が思いがけない面白さを生むのだけれど…。

 レッドフォードが訪ねる人々がとんでもない顔ぶれだ。それこそ若い頃に70年代を経験してきた俳優たちばかりで、彼らが顔を見せる度、頬が緩む。その一方、主人公を追い掛ける記者を若いシャイア・ラブーフにやらせたり、新星ブリット・マーリングを重要な役に置いたり、ヴェテランたちとの対比も忘れない。新旧ハリウッド俳優たちのエール交換のような趣が微笑ましい。





ブログパーツ

blogram投票ボタン

スポンサーサイト



テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

プロフィール

Author:Yoshi
Planet Board(掲示板)

旧FILM PLANET

OSCAR PLANET




since April 4, 2000

バナー
FILM PLANET バナー

人気ページ<月別>
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
最新トラックバック
QRコード
QRコード
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

Friends
福☆こもろ