フローズン・グラウンド

フローズン・グラウンド “The Frozen Ground”

監督:スコット・ウォーカー

出演:ニコラス・ケイジ、ジョン・キューザック、ヴァネッサ・ハジェンズ、
   ディーン・ノリス、オルガ・ヴァレンティーナ、マイケル・マグレイディ、
   ブラッド・ウィリアム・ヘンケ、キャサリン・ラ・ナサ、ラダ・ミッチェル、
   カーティス・ジャクソン、ケヴィン・ダン、ジョディ・リン・オキーフ

評価:★★




 ニコラス・ケイジとジョン・キューザックの共演は「コン・エアー」(97年)以来だ。『フローズン・グラウンド』はしかし、バカ映画ではない。バカ映画ではないけれど、地味映画ではある。実際に起こった連続女性レイプ・殺害事件を、アラスカ州アンカレッジの寒々とした景色の中に封じ込める。カメラを揺らし、カット割りを細かくし、顔のアップを多用するという鬱陶しい技を使いながら。

 そもそものプロットが州警察と殺人鬼の追いかけっこというシンプルさなのだけど、それよりも地味具合を強調するのは、捜査方法の古めかしさだ。時代が1983年に設定されていて、つまりそれはパソコンやインターネットが普及していないということだ。刑事は足を使って捜査を進め、資料を読み込んで推理し、証拠固めに集中する。身体を張った捜査は映画と相性が良いはずなのに、活気がどんどん失われていくのは何故。

 これはおそらく、ケレンと呼べるものがあまりにも希薄だからなのだろう。正統派という言葉を盾にして、この映画独自の面白味の追求がなされていない。謎解きは最初から犯人を明らかにすることで放棄され、被害者は犠牲者以上の役割は果たさず、刑事は終始真面目に仕事に取り組む。刑事の過去や犯人のパン屋という職業は無視される。いたって真っ当な作りが無個性に繋がっているということだ。

 生き延びた被害者の証言を基にした実話という点が自由な作りを許さなかったのかもしれない。ただしその分、被害者が無駄に念入りに描写される。義父に犯され、11歳で娼婦になったという18歳の少女。彼女が賢ければ、もっと簡単に事件は解決したのではないか。そう思わずにはいられない浅はかで苛立たしい振る舞いの数々に眩暈。何度警察から逃げるのか。演じるヴァネッサ・ハジェンズは思い切った汚れ役(実は主役?)で、メイクが粗いこと粗いこと。肌の張りが見事に消え失せているのに驚愕。演技は幼いままなのに、おばあちゃんみたいな印象だ。リンジー・ローハン風とも言える。

 「ペーパーボーイ 真夏の引力」(12年)に続いて悪役を演じるジョン・キューザックは、特にハッとするような演技ではない。ただ、嬉々とした犯行描写で見せるときの目の冷たさは目に焼きつく。ホンジャマカ石塚英彦みたいで。熊の毛皮の上でレイプし、鎖で柱に縛って監禁するというのが、変態プレイ絶好調。被害者へ配慮したのか、描写が大変マイルドになっているのは良いんだか悪いんだか。

 というわけで、多くの人がいちばん期待するだろうケイジとキューザックの激突は最後まで待たなければならない。アクション場面でキューザックが参加しないというバカバカしい流れの後にある、尋問場面がそれだ。白を切るキューザックをケイジがねちねち追い詰める。思わずカツ丼が欲しいと思ったのは、ひとりやふたりじゃないはずだ。





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