恋のベビーカー大作戦

恋のベビーカー大作戦 “La stratégie de la poussette”

監督・出演:クレモン・ミシェル

出演:ラファエル・ペルソナーズ、シャルロット・ルボン、
   フランソワ・ベルレアン、ジェローム・コマンドゥール、
   ジュリー・フェリエ、カメリア・ジョルダナ、フランソワ・ロラン

評価:★★




 主演男優ラファエル・ペルソナーズの着こなしが良い。…と言っても別に、ブランド服に身を固めているわけでも、奇抜なファッション・センスの持ち主というわけでもない。普段着がさり気なくオシャレ。茶色のダッフルコートと水色のマフラーの組み合わせが何度も出てくる。これで、ただこれだけで魅せる。フランス男の底力と言うか、何と言うか。庶民レヴェルでこれだから、おフランス、侮れない。相手役のシャルロット・ルボンも気張らないままカッコイイ。例えば、オレンジ、黄色、青の葉っぱを全体に飛ばした水色のシャツ。カジュアルなのに、スタイリッシュ!

 ペルソナーズの友人が、こんなことを言う。「女は“パパ”が好きなんだ」。『恋のベビーカー大作戦』はそれをカリカチュアしたような映画で、ひょんなことから他人の赤ん坊の面倒を看ることになったペルソナーズが、その世話にてんてこ舞いになる様を笑い飛ばす。ペルソナーズが“パパ”に扮して、別れた恋人の心を取り戻そうする話も用意されているけれど、そちらはオマケのようなものだ。

 ハンサムな男が“パパ”の仕事をこなす画は確かに女たちにアピールするのかもしれない。ペルソナーズがオムツを変える。ペルソナーズがミルクをあげる。ペルソナーズが抱っこしてあやす。ペルソナーズがベビーカーを押す。ペルソナーズが「ゴースト ニューヨークの幻」(90年)ごっこをしながらマッサージする。はぁぁぁ、可愛いわー。ペルソナーズが可愛いわー、というわけだ。そんなに簡単に女が“パパ”になびくわけないだろー、という突っ込みを先回りして、ヒロインが態度をいきなりは軟化させない周到さも見せる。

 気になるのはペルソナーズが(と言うか、作り手が)、その美貌を疑っていないことが透けて見える点だ。「赤ん坊にてんてこ舞いになる可愛い俺」にあまりに自覚的。ドタバタすればするほど、可愛く見えることに気づいている。だって赤ん坊と出会うときの衣装、魚の着ぐるみにタイツ姿だぜ。それで街中歩いちゃうんだぜ。バックには甘ったるい音楽が流れるんだぜ。なんだか韓国ドラマみたいじゃないか?

 打算的な始まりではあったものの、赤ん坊に愛情を抱いていくという展開。それにも関わらず、観ている側が赤ん坊に対してさほど入れ込めないのは何故だろう。物語の中で赤ん坊が「道具」としてしか機能していないからだ。赤ん坊を大きなカバンの中に入れたり、片手に抱いて自転車を漕いだり、すぐ傍でタバコを吸ったり…といったギャグ場面云々の話ではなく、赤ん坊への愛情がちっとも伝わらない。

 あくまで主役は「赤ん坊にてんてこ舞いになる可愛い俺」なのだろう。86年のフランス映画「赤ちゃんに乾杯!」はこんな風ではなかったと思い出す。そのハリウッド・リメイクである「スリーメン&ベビー」(87年)でさえも、もう少しデリケートだったような気がする。「可愛い俺」が嘘でもパパらしくなる姿をじっくり描かないことには、成立しない話だと思う。

 ところで、ペルソナーズはジョン・ステイモスからくどさを抜いたようなハンサムだ。無精ヒゲを生やしても爽やかさが失われないのが良い。ステイモス繋がりで、TVシリーズ「フルハウス」(87~95年)を思い出したりして…。対するシャボンはウィノナ・ライダーにそっくり(ちょっとローズ・バーンも入る)。バカみたいに大きな目が可愛いんだか怖いんだか。冒頭、アパートの階段に置いている植木に小便をするような女なのに、その後、いたって普通の言動に終始するのが腑に落ちない。





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