怪盗グルーのミニオン危機一発

怪盗グルーのミニオン危機一発 “Despicable Me 2”

監督:ピエール・コフィン、クリス・ルノー

声の出演:スティーヴ・カレル、クリステン・ウィグ、
   ベンジャミン・ブラット、ミランダ・コスグローヴ、ラッセル・ブランド、
   スティーヴ・クーガン、ケン・チョン、エルシー・フィッシャー、
   デイナ・ゲイアー、モイセス・アリアス

評価:★★★




 ミニオンについて分かっていること。バナナからできている。人の指のような容姿で、黄色で、サロペットを着ている。腐るほどたくさんいる。好奇心(欲望とも言う)に忠実で、四六時中、勝手気ままにちょこまか。それだけなのに…。

 それだけなのに、いやそれだけだからか、可愛い。出てくるだけで目が釘付けになる。スポンジ・ボブの兄弟のようにも見えるけれど、醸し出す空気感はよりポップだ。まるで犬っころが無邪気に遊んでいるような親しみやすさ。「怪盗グルーの月泥棒 3D」(10年)では「アイス・エイジ」(02年)シリーズにおけるスクラットのようなポジションでシュールさもあったのが、すっかり消失。でもこれはこれで良い。ミニオンたちは単独で世間に認知されたのだ。

 そう、ミニオンは出世した。物語の中心に入り込む重要な任務を担う。映画のシンボルとして無駄に動き回りながら、なおかつサスペンス部分で鍵を握る。誘拐事件の人質役という立ち位置を獲得している。ちっとも深刻にはならないのが嬉しく、今回はサロペットを脱ぎ捨ててコスプレ・ショーに走っているのが大いに楽しい。意味の分からない言葉を喋りながら、でもちゃんと言いたいことは伝わるあたり、作り手もミニオンの可能性に気づいている。

 そんなわけで『怪盗グルーのミニオン危機一発』、主人公グルーはミニオンに喰われっぱなしだ。可愛らしいはずの三姉妹も笑っているだけで、それ以上の存在感を示さない。ただ、これをキャラクターの魅力不足と斬り捨てるのは間違いだ。彼らが目立たないのは、ミニオンに対する演出に力が入れられているということ以上に、物語への配慮が足りないからだ。

 最近のアニメーション映画は、ピクサーの影響なのか、子ども向けであってもメッセージを伝えることに手を抜かないものだけれど、『ミニオン危機一発』では「悪者を懲らしめる」という極めて単純明快な物語しか用意されず、浮かび上がるテーマも驚くほどに子どもっぽい。シュレックがそうだったように、すっかり良い人として登場するグルーが悪者の悪事を食い止める、ただそれだけの話。ミニオンがいなかったら、相当味気ない画面になっていたことだろう。

 代わりに武器となるのは、3D効果を大いに意識したアクションと次々出てくる発明品ということになる。今回、発明品は物足りない。奇想天外、目に入るだけで嬉しくなるような面白さはない。その分、アクションはスピード感たっぷりに展開される。特に高い空間を利用したアクションは高揚感があって良い。このシリーズは体感型アトラクション映画と形容されることもあるようで、なるほどここから来ているのだろう。

 グルーと孤児三姉妹は家族として登場する。彼らを見てふとTVシリーズ「フルハウス」(87年~95年)を思い出した。三姉妹の性格付けやグルーの娘たちへの愛情の注ぎ方に通じるものがあるような気がする。グルーが長女の恋模様にやきもきする件は、ベタとは言え、かなり微笑ましく見た。





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