あの頃、君を追いかけた

あの頃、君を追いかけた “You Are the Apple of My Eye”

監督:ギデンズ・コー

出演:クー・チェンドン、ミシェル・チェン、スティーヴン・ハオ、
   イェン・シェンユー、チュアン・ハオチュアン、
   ツァイ・チャンシェン、フー・チアウェイ

評価:★★★




 学校や人生は、好きな人がいる方が何倍も楽しい。もちろんそれゆえ苦しいこと、辛いことも多いけれど、振り返ればそれもまたキラキラ輝いて見える。エンドクレジットの最後でギデンズ・コー監督は、若き日の自分に感謝を捧げている。『あの頃、君を追いかけた』はそう、それを映像化したような青春映画だ。きっと実体験を基にした部分は少なくないはずだ。

 物語は1994年の台湾、主人公コートンの高校生活から始まる。この学校風景の描写だけでも、懐かしく嬉しい気分になる。教室の風景はどこでも大差ない。まだまだガキの少年たちと一足早く大人になる少女たち。皆にあだ名がついていて、校則のせいで髪型は似たり寄ったりで、その中に前髪に命を賭けている者がいて、授業はかったるくて、テレビやエロが会話の中心で…。

 しかし、何と言っても秀逸なのは、ヒロインのチアイーが「他の女子より、ほんの少し可愛い」と形容されるところだ。芸能人になるようなレヴェルではなくても、磨けば必ず光るに違いない原石。つんとしてても可愛らしく、大人になったら簡単に綺麗になるだろう。男は本能的にそれを嗅ぎ分ける。演じるミシェル・チェンのタヌキ目の素朴な可愛らしさは映画の命だ(と全面的に褒めるにはやや老け顔)。役柄は見方を変えると愛されていることをしたたかに利用するもったいつけた女だし、制服は若々しくないキャビンアテンダントみたいでイマイチなんだけど。

 男目線の少女漫画に、胸をざわつかせるエピソードがてんこ盛りに放り込まれる。学級費盗難事件や居残り勉強話、髪型変更話もツボを押さえているものの、やっぱり恋が始まるエピソードがベスト。少女が教科書を忘れたのを、少年が何も言わず、自分が忘れたことにする。ものすンごくベタなんだけど、いいの。若いからこれでいいの。少年よ、よくやった。少年が「俺ってカッコイイ!」と得意気な顔なのが、子どもで、可笑しい。

 少年が通常時からバカというのが重要だ。今時鼻にペンを刺すわ、輪ゴムで友人の股間を狙うわ、授業中にオナニーするわ、教科書は落書きだらけだわ、家ではいつも全裸だわ…。つまり少女はギャップに降参する。基本だ。でもこれまた、いいの。若いからこれでいいの。演じるクー・チェンドンは普通にしていても、二三発殴られたようなファニーフェイスなのが良い。垂れ目も効いている。バカだと信じられる。もちろんハートを持ったバカだ。

 後半、大学進学後はやや失速する(進路の違いに関する悩みが無視されるのは不可解)。天下一武道会もどきが出てくるあたりから、男よ、さすがにもう少し大人になれよと言いたくなるエピソードが目立ち始める。これをボタンの掛け違いとするには、相当幼い。

 90年代台湾のポップカルチャーネタにどっぷり浸かれないのは残念。多分台湾の人には堪らない仕掛けもたっぷりあるのだろう。日本人の目からすると、90年代というよりは、80年代(場合によっては70年代)っぽく見える気がする。まあ、これはこれで面白いのだけど。

 ふと思う。日本でリメイクするなら、どういう配役が良いか。男は松坂桃李、女は有村架純でどうだ。松坂は素っ裸になってくれないかな。有村は可愛過ぎるかな。でも簡単に想像できるのが、ここに描かれる魂が嘘偽りない、万国共通のものであることの証拠だろう。どこにでもコートンとチアイーはいるのだ。





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