ホワイトハウス・ダウン

ホワイトハウス・ダウン “White House Down”

監督:ローランド・エメリッヒ

出演:チャニング・テイタム、ジェイミー・フォックス、マギー・ギレンホール、
   ジェイソン・クラーク、リチャード・ジェンキンス、ジョーイ・キング、
   ジェームズ・ウッズ、ニコラス・ライト、ジミ・シンプソン、
   マイケル・マーフィ、レイチェル・レフィヴレ、マット・クレイヴン

評価:★★




 最近はマイケル・ベイに王座を譲っている感があるものの、ローランド・エメリッヒと言ったら破壊の人だ。それも地球規模での破壊を好む。場合によっては宇宙でも破壊する。だから、その彼が新しい舞台としてホワイトハウスをピンポイントで選んだのは意外だ。ホワイトハウスはアメリカのシンボルとして、2時間かけて破壊する価値があるということか。

 そう、これまでのエメリッヒの破壊は、「木端微塵」となるものが大半だったのに対し、『ホワイトハウス・ダウン』ではホワイトハウスの彼方此方が破壊されながらも、なんとか最後まで持ち堪える。一発目となる議事堂の大爆発の画も、一瞬で吹き飛ぶようなものではない。内部で炎が上がる画を不穏に切り取る。全部吹き飛んでしまっては映画にならないというのもあるだろうけれど、それよりもじっくり甚振っているような気配を感じさせる。由緒正しき歴史的建造物をサディスティックに弄っている。嗜好が変わってきたのだろうか。

 その一方、これまでのエメリッヒ映画同様、アンサンブル色が強い。シークレットサーヴィス志願の男を主人公に置いた活劇には違いないものの、散りばめられた登場人物それぞれの視点・立場が明確にされて進むこともあり、男ひとりの物語ではなく、ホワイトハウスで起こった事件に関わる人々の物語の色が濃い。狙いではなく、エメリッヒはそういう風にしか描くことができないのだ。おかげでジェームズ・ウッズが妙に印象に残る。

 …というように冷静な気分で見られる。結局エメリッヒ映画らしいエメリッヒ映画で、不思議とそれに安心感を覚えてしまうのは、ヘタクソでも長く撮っているおかげかもしれない。案の定脚本には全く工夫は見られないけれど(携帯動画を使った情報公開の件が面白かったぐらいか)、爆発や銃撃戦、カースタントの繰り返しだけで持たせるその勇気、エメリッヒは変わっていないとのんびり気分。裏切り者の存在が丸分かりなのも、ホワイトハウスで遊んでいるようにしか見えないのも、欠点であって欠点ではないような…。珍しくアメリカ万歳の匂いが抑え気味なのは大いに有難い。

 間違い探しができる先行公開作「エンド・オブ・ホワイトハウス」(13年)との最大の違いは、大統領の動き方だろう。こちらは大統領自らがアクションに挑戦、悪者たちに勇敢に立ち向かう。主人公の青年とのバディムービーの趣も強いのだけれど、チームワークで見せるアクションが僅かしかなかったのは残念だ。思いがけないデコボココンビなのだから、豪快なはったりを畳み掛けても面白かったのに。なお、ジェイミー・フォックスは大統領役が全然似合わない。

 主人公を務めるのは、出ましたただいま絶好調男、チャニング・テイタムだ。相変わらず身体が良く動く。今回のテイタムのポイントは、アクション場面になるとキメポーズが飛び出すことだろう。「21ジャンプストリート」(12年)では映画でよく見かけるカッコつけポーズを笑い飛ばすエピソードが出てきたけれど、今度は大真面目にそれをキメる。銃弾を避けて吹っ飛んだり、テーブルの上を滑ったり、笑えるポーズがてんこ盛り。ランニング一丁になっても80年代スターのような筋肉バカの匂いがないのもお手柄だ。

 そのテイタム、なんと娘がいるという設定だ。それも11歳と結構大きな女の子だ。ラッキーガールを演じるジョーイ・キングはクロエ・グレース・モレッツの妹みたいな容姿で(ちょっとレイチェル・ワイズを思わせるときもあり)、小生意気な役作りが癇に障る。ただしこの娘、なかなか使える動きをするのだ。エメリッヒは彼女がいてくれたおかげで分かりやすく物語を転がすことができたのではないか。物語に気を取られ過ぎることなく爆発や銃撃戦へ集中できたのではないか。実はキングこそ、MVPかもしれない。





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