アイアン・フィスト

アイアン・フィスト “The Man with the Iron Fists”

監督・出演:RZA

出演:ラッセル・クロウ、ルーシー・リュー、カン・リー、バイロン・マン、
   リック・ユーン、デヴィッド・バウティスタ、ジェイミー・チャン、
   ダニエル・ウー、パム・グリアー

評価:★★




 『アイアン・フィスト』はこんなモノローグから始まる。「武器作りに必要なものが三つある。“良質の鋼”、“1400度の炎”、そして“命を狙う者”だ。叢林村には全てが揃っていた」…。妙に気取った言い回しだけれど、ワカラン。何故命を狙う者が必要なのか、ワカラン。そして案の定最後まで観ても、ワカラン。でも作り手はそんなこと、全然気にしていない。大らかでいいじゃないか。

 …と思える人向きの映画だ。19世紀、武装集団が割拠する中国で、男と女が命を賭けたゲームに興じる。ただし、その戦いはカンフーにはならない。格闘技と大まかに言うのも違う気がする。金塊の行方を巡って身体を張る彼らは皆、全身に武器を装着し、残酷の限りを尽くす。ブラックスプロイテーション映画の変化球版とした方がまだしっくり来る。

 ミュージシャンである監督のRZAは、どうやら自分の好きなものを余すことなく放り込むことに全力を注いだようだ。予想外のところから飛び出す奇妙な武器や派手さ命の死に様のコレクション。エネルギーでも溜めているのか、いちいち決まる格闘ポーズ。男が美しい女と戯れる画。窮地からの大逆転。人の口から蛇が出てくるわ、深い意味を考えず仏像が乱立するわ、主人公(RZA)だけ身体が全身金で覆われるわ…とやりたい放題。デタラメの数々が悪趣味に繋がっている。その悪趣味とシンクロできる人には、おそらく堪らない世界なのだろう。

 RZAはとにかく血飛沫を飛び散らせることが好きらしく、人の身体が武器に貫かれるショットを連発する。内臓が捻り出されたり、首が転がったり、両腕がちょん切られたり、目玉がピンポンボールになったり…その度に血が噴水のように散っていく。残酷さを歓んでいるようなところがある。別に猟奇的なものを選んでいるようなフシは見られない。RZAは無邪気だ。ただ大好きな血飛沫を追い求めたらこうなってしまった…というような幼さが大きいだろう。好きな物だらけで固めたら、えっ、俺悪趣味だったの?と今更ながらに気づき、でもそれを全然気にしていない。学生の自主制作映画よりも幼い、映画への向き合い方。

 混沌はキャスティングにも現れる。突如ラッセル・クロウが顔を見せる不思議。こういう世界観が好きなのか、飯が美味いのかたっぷり脂肪を蓄え、オーバーアクションで楽しそうにしているのが、ある意味衝撃。その他のキャストもアジア系中心にまとめられているよう見えて、でもどこか溶け合わない面々がズラリ。まあ、皆喜んで演技しているから、これで正解なのか。

 ただ、エロという点においては大いに不満。娼館が重要なバトル場になりながら、クロウが女好きキャラクターとして登場しながら、ちっともいやらしい場面が出てこない。レイティングを恐れない残虐性を追求するのであれば、同時にエロを突っ込まないでどうする。ジェイミー・チャンのような綺麗どころも出てくるではないか。ピンクでまとめられた娼館のライティングやビニールでできているみたいにチープな衣装と共に、大いに反省を求めたい。





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