31年目の夫婦げんか

31年目の夫婦げんか “Hope Springs”

監督:デヴィッド・フランケル

出演:メリル・ストリープ、トミー・リー・ジョーンズ、スティーヴ・カレル、
   ミミ・ロジャース、エリザベス・シュー、ジーン・スマート、
   ダミアン・ヤング、ブレット・ライス、マリン・アイルランド

評価:★★




 スティーヴ・カレルがカップル・カウンセリングの医師だった場合、一体全体どんな奇天烈なセラピーになるのか、想像を巡らせるのが普通だろう。無表情に夫婦の問題を聞きながら、しかし素っ頓狂な指示を出して真剣な男女を困惑させるのではないか。ところがこれが、いたってフツー。言葉の選び方が直接的なくらいで、その立ち振る舞いは平凡を極めると言って良いほどだ。

 そんなわけで『31年目の夫婦げんか』は、大変上品かつ真面目な映画になった。褒めてはいない。結婚31年目を迎える夫婦が、「真の結婚」を目指して奮闘する。奮闘なんて言っても、カウンセリングで心を解放させようというのが、アメリカ的と言うか頭でっかちと言うか。真面目カップルなら、これが一般コースなのか。

 真面目映画に相応しい配役になっている。いつも不機嫌な表情を崩さないトミー・リー・ジョーンズと良妻賢母の雰囲気を頑なに守るメリル・ストリープ。100年前に色気をどこかに忘れてきたふたりが、通常とは異なる、イメージにはないことをやってのけるところが見せ場となる。だからオープニングは、胸の谷間を強調したストリープによるセックスへのお誘いなのだ。ジョーンズ、そりゃ驚いたことだろう。ひぃぃぃ。

 断わるまでもなく、ふたりの演技テクニックは超一流だ。ジョーンズが目玉焼きを食いながら新聞に目を通すだけで、ストリープが洋服のボタンを留めるだけで、デキる俳優であることを悟らせる。このふたりが愛を取り戻そうと捨て身になる。オープニング以上にホラー要素を含んだ画がてんこ盛りになるのも当然だ。暖炉の前での語らい合いもさることながら、フランス映画を上映中の映画館でのフェラチオ突入場面がスゴイゾ。ストリープなんて、バナナまで使って練習しちゃうからね。しかも練習の成果が出ないからね。下ネタに挑むふたりが新鮮!…ってこと?!

 医師を交えたカウンセリングと夫婦だけによる実戦が分かれているのは、当たり前とは言え、映画的に違和感を感じる。夫婦の間で問題になっている事柄はカウンセリングで判明するものの、それが発展したり形を変えたりするのはその後だ。どうしても本能と心と体技が切り離されたような宙ぶらりんの状態に置かれる。

 それにしても、そもそもの題材が古臭い。要するにセックスレス問題を取り上げているわけだけれど、セックスと愛情が切っても切れないものだという考え方が基盤になっている。もちろん間違ってはいない。けれど、愛情なんてものはどんどん変化していくもので、セックスレスになったからといって、そのまま愛情が消えてしまうわけでもないだろう。セックスにこだわるなら、バイアグラでも呑んだらどうか。その視点が抜けているだけで、大の大人がママゴトにでも興じているように見える。贅沢なママゴトだと悦に浸るのはおめでたいというものだ。





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