マーヴェリックス 波に魅せられた男たち

マーヴェリックス 波に魅せられた男たち “Chasing Mavericks”

監督:カーティス・ハンソン、マイケル・アプテッド

出演:ジョニー・ウェストン、ジェラルド・バトラー、エリザベス・シュー、
   アビゲイル・スペンサー、レヴェン・ランビン、テイラー・ハンドリー、
   クーパー・ティンバーライン、ハーリー・グラハム、キーガン・ブース

評価:★★★




 22歳の若さで死んだというジェイ・モリアリティはおそらく、サーフィンを愛する人の間では相当有名なのだろう。世界最大級の大波との勝負に勝ったからではない。大波との勝負に挑む勇気により有名になった。彼はいかにしてそれを成し遂げたのか。『マーヴェリックス 波に魅せられた男たち』はそれを探り出す。

 …と言っても、ここに描かれるモリアリティの挑戦劇に、選ばれた者しか経験できない「何か」など見当たらない。波を愛する少年が手解きをしてくれる師と出会い、楽しくも厳しいトレーニングを受ける。その過程に男運が悪く自堕落な生活を送る母親への悩み、年上の幼馴染との恋、サーファーになるきっかけをくれた友人との衝突等が塗される。スポーツ物の典型。普通だ。酷く、普通だ。

 ただし、とても丁寧ではある。過不足はない。本筋との脇筋のバランスも適当だ。だから、あぁ、青春時代はこんな風だったと懐かしい気分にはなれる。気持ち良くもなれる。場面によっては、笑みさえ浮かぶ。けれど、刺激はない。

 意識的に重きが置かれているのは、師であるフロスティ・ヘッソンとの関係だ。わざわざジェラルド・バトラーが配役されているあたり、気合いも入っている。モリアリティは幼い頃に父が出て行った過去を持ち、その彼がヘッソンと父息子のような絆で結ばれていく。別段目新しい関係ではないものの、役者たちの誠実な演技のおかげでくどくならない。バトラーが珍しく演技を抑えている。「恐怖とパニックは別だ。恐怖は健康的だが、パニックは死を意味する」という印象的な言葉もじっくり…。

 しかし、作品を象徴するのは結局、モリアリティの目のキラキラではなかろうか。幼少期を演じるクーパー・ティンバーラインも16歳になってからを演じるジョニー・ウェストンも、興味を持った物への興奮を隠すことができない。好奇心が溢れ出る小動物の目は、そのまま人生で何かに賭けるときの情熱に繋がっている。そしてそれを眺めるのは、たとえ新鮮味はなくても、愉快な気分を誘う。ウェストンはコリー・ハイムやロブ・ロウ、カーク・キャメロンといったかつての青春スターたちに通じる瑞々しさがある。チリチリヘアも可愛い。それで十分だ。

 タイトルにあるマーヴェリックスとは大波の名前だ。この波の荒々しさが良い。サーフィン映画でお馴染みの、美しいトンネルを作るような爽やかな波ではない。色は青ではなく緑。白い飛沫が上がる度、轟音が鳴り響く。怪物にも見える。波を神聖化しないところに、作り手の真摯な姿勢が見える。





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