モンスターズ・ユニバーシティ

モンスターズ・ユニバーシティ “Monsters University”

監督:ダン・スキャンロン

声の出演:ビリー・クリスタル、ジョン・グッドマン、スティーヴ・ブシェーミ、
   ヘレン・ミレン、アルフレッド・モリーナ、デイヴ・フォーリー、
   ショーン・P・ヘイズ、ジョエル・マーレイ、ピーター・ソーン、
   チャーリー・デイ、ネイサン・フィリオン、ボビー・モナハン、
   ジュリア・スウィーニー、オーブリー・プラザ、タイラー・ラビーン、
   ジョン・クラシンスキー、ボニー・ハント、ベス・ベアーズ、
   ジョン・ラッツェンバーガー、フランク・オズ

評価:★★★




 ピクサーが生んだ傑作二人組と言ったら、どのコンビを挙げるべきか。「トイ・ストーリー」(95年)のウッディとバズを挙げるのもありだろうけれど、その掛け合いを見れば「モンスターズ・インク」(01年)のマイクとサリーこそ本命だろう。ふたりはチームを組んで、人間の子どもたちの悲鳴を集めるプロフェッショナルだ。『モンスターズ・ユニバーシティ』はその大学時代の物語。ふたりに再会できる。

 …と手放しで喜ぶ気分になれないのは、このところピクサー神話に翳りが見受けられるから。続編の連発はオリジナリティの欠如に繋がる。設定が面白くてもそこから膨らむ想像力に限界を感じさせる。この映画でもマイクとサリーの通った大学を登場させたは良いけれど、その風景に身を乗り出すようなイマジネーションは見当たらない。可愛らしいモンスターをたっぷり見せることには懸命だけれど、美術や授業内容といった、いくらでも凝れそうなところは平凡に近い。

 とは言え、結局マイクとサリーを始めとするモンスターは魅力的だ。今更改めて思うのは、サリーのデザインが意外にデリケートなことで、雪男に色をつけただけのように見えて、毛並みのふかふかの再現力やブルーの中にパープルを落とすアイデア、さらにそこにジョン・グッドマンの声を当てる可笑しさには感心せずにはいられない。

 ふたりが信頼関係を築き上げていく過程の見せ方が、さすがに上手い。最初は互いに良く思っていなかったのが、気がつけば唯一無二の親友になっていくという定番以外の何物でもない展開が、テンポ良く、無理なく、気持ち良く描き出されていく。

 ふたりのドタバタを眺めていると、つい懐かしい気分を誘われる。誰もが通った子ども時代。大きな夢があって、期待が溢れていて、でも不安もいっぱいで…。最初の一歩が妙に大切に思えたあの頃。子ども時代のあまりにも可愛らしいマイクが、憧れの会社で目を輝かせるオープニングには、目頭まで熱くなる。あぁ、確かにそんな純真無垢なときがあったと…。

 けれど、もっと注目すべきは、“夢を諦めるとき”を描いているところだ。怖がらせ屋こそエリート。小さくて可愛いマイクはそれに憧れ、誰よりも努力を重ねる。志も高い。その夢はしかし、人には向き不向きがあるという現実の前に粉々になる。アニメーション映画で恐れることなくこれを描写するのがピクサーらしい。粉々になった夢の欠片が個性というものに形を変え、別の夢に繋がっていくのは「モンスターズ・インク」に詳しい。

 人間界に迷い込んだマイクとサリーが、月夜、森の中の湖のほとりで本音を曝け出す場面がしみじみと良い。マイクとサリーが愛される理由が分かる。その後の場面で今後のチームワークを連想させるアクションを見せるのにも胸が熱くなる。

 大学長役のモンスターがなかなか良い味だ。ムカデの容姿にドラゴンの羽根がついている。声をヘレン・ミレンが当てているのが最高だ。威厳が溢れている。生徒たちが萎縮するのも当然のカッコ良さ。彼女のラストシーンには「キマッタ!」と思った。





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