魔法使いの弟子

魔法使いの弟子 “The Sorcerer's Apprentice”

監督:ジョン・タートルトーブ

出演:ニコラス・ケイジ、ジェイ・バルチェル、アルフレッド・モリーナ、
   テリーサ・パーマー、モニカ・ベルッチ、トビー・ケベル、
   オマー・ベンソン・ミラー、アリス・クリーグ、ジェイク・チェリー

評価:★★




 選ばれし者云々という言葉が出てくる上、魔法が重要な要素になっているので、単純に「ハリー・ポッター」シリーズ(01年~)を連想してしまうけれど、もっと分かりやすく説明するなら「ベスト・キッド」(10年) meets 「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」(10年)といったところだろうか。魔法使いの師匠と弟子が、現代のニューヨークを舞台に悪玉魔法使いと戦う話なのだ。クライマックスでかめはめ波が出てくるけれど「ドラゴンボール」っぽくはない。

 噛み合わない師匠と弟子による「ベスト・キッド」風の関係が案外楽しく観られるのは、ニコラス・ケイジのおかげだろう。ロッカーを思わせる黒いコートを着て、ヘアスタイルは落ち武者そのまんまのケイジが、魔法使い役に妙にハマっていて、眺めているだけでやたら可笑しいのだ。真面目に演じれば演じるほど(当然のことながら、ケイジは達者な演技力の持ち主だ)、脇腹をくすぐる可笑しさが次々浮かび上がってくる。地球を滅亡から救うため、冴えない弟子に懸命に術を教え込むケイジの佇まいから、魔法使いになれたことを素直に喜んでいる思いのようなものが滲み出てくるのだ。作品の出来映えだとか完成度とは関係のない、こういうものに触れられるのも映画の醍醐味だと改めて思う(これがヘンテコな方向に向かうと、作品そのものが珍作になる)。なお、悪玉を演じるアルフレッド・モリーナもまた、立ち姿だけで可笑しい素晴らしい役者だ。

 ケイジに魔法を教えられるジェイ・バルチェルは…良いんだか良くないんだか判断に困る存在感。ハンサムじゃないし、スターオーラも全くないのだけれど、物語上のテリーサ・パーマーとのバランスを考えると、これで良いのかもしれない。でしゃばり過ぎてケイジのスター演技を破壊することもないし。多分、コメディ映画の脇役で良い味を出すタイプ。

 「パーシー・ジャクソン」のように現代社会にファンタジーの世界を持ち込むのは、あまりしっくり来なかった。「パーシー・ジャクソン」はギリシャ神話をモチーフにしていたのが自然と骨格の頑丈さに繋がっていたのだけれど、ここではその世界観が一から創り上げられていて、しかもその創り込みが緻密とは言えないため、ミスマッチの妙が生まれないのだ。魔法の理論に分子諸々の物理学をぶつけるあたりからして、あまり夢が感じられず、滑り気味と言える。アクションの魅せ方もゲーム風なのがイマイチ。そもそも何ができたら合格なのか、基本的な部分の描写が脆過ぎるだろう。

 それから『魔法使いの弟子』に限らず、魔法絡みの映画の多くに言えるのは、アクションが視覚効果に頼ったものになってしまうのが味気ないということ。人間の肉体が期待したほどに動かず、それゆえその躍動を感じられない。アクションというものは、まず身体が動くことが重要だ。忘れてはいけない基本だと思う。





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